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神社の巫女とはどんな仕事?巫女になるための方法や条件とは

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皆さんの中には神社で働く「巫女」の姿を見て、憧れや、「私も巫女になりたい!」と思ったことのある方もいらっしゃると思います。あの巫女装束や神秘的な印象で特別な存在というイメージが大きいですが、実際の巫女のお仕事とはどのようなものなのでしょうか。

ここでは巫女の仕事内容や、なるための資格、条件についてご紹介していきます。

巫女を職業、仕事として興味のある方には求人を出す前に読んでいけば事前に情報として役に立つと思いますよ。

 

元巫女による創作舞はこちら

神社の巫女について

巫女が現在の神社で働く職業の巫女になるまでには、長い歴史の変化がありました。先ずはこの変化の流れをみていきましょう。

神社の巫女に至るまで

巫女の誕生は弥生時代にまで遡ります。この頃の巫女は、今で言うシャーマンスピリチュアルと言った類の霊的な能力を持った女性でした。

この時代はまだ、人々の生活に神や霊といったものが密接に関わっており、祈祷や占い、神霊の憑依によるお告げを行う「巫女」はとても重要な存在でした。社会的地位も高く、邪馬台国の卑弥呼に代表されるように、国の統治を行うほどだったのです。

その後、時代は移り、大和朝廷による男権社会になることで巫女の社会的地位は後退し、その存在意義は薄れていきます。

この頃は実際に憑依能力を持つ巫女は権力社会からいなくなり、この能力を生業とした「口寄せ巫女」として生きていくことになるのです。そして朝廷には儀式の際に祭祀を執り行う、役職としての「朝廷の巫」と呼ばれる巫女が誕生します。この巫女は「斎王」と呼ばれ、皇族の未婚の娘などがなり、神の妻として未婚のまま生涯を捧げていました。この頃の巫女を「古代巫女」と呼びます。

巫女にとって大きな転換期になったのは明治時代に入ってからのことになります。

明治維新により、日本は近代化を進めることになり、信仰においても色々な法令が発せられ、その一つに「巫女禁断令」と言うものがありました。この法令は巫女の霊的な能力を否定し、巫女の存在を禁止すると言うもので、これにより神社に仕える巫女が禁止となります。

しかし、一部の神社より、文化芸能として神楽舞の伝承を望む声もあり、これに関わる巫女についても復活を願う声が広がっていくのです。これが職業として神社に仕える「現代巫女」の誕生です。今の巫女はこの神社に仕える「神社巫女」が一般的となっています。

古代巫女の役割と現代巫女の役割

古代巫女では祈祷、占い、神霊の憑依と言ったスピリチュアル性が重要でしたが、現代巫女ではその役割は大きく変わっています。職業として神社に従事し、神社の神聖さを体現する存在へと変化していったのです。

 

では実際の現代巫女の仕事とは一体どんなものがあるのでしょうか。ここからは現代巫女の仕事内容についてご紹介しましょう。

現代巫女の仕事とは?

巫女舞を奉納する

巫女の一番華やかで有名な仕事の一つが、祭祀の際に神様に奉納される神楽舞「巫女舞」でしょう。

これは神様に捧げる舞で神への感謝の気持ちを伝える舞です。現在まわれている舞は明治時代以降に創作されたもので、お祭りや、結婚式などの催しとしても舞われることが多いようです。

御朱印書き

神社の御朱印書きお守り、破魔矢などの作成なども巫女の仕事の一つです。年末年始は特に利用者が増えますのでこういった裏方作業も増えます。

神職のお手伝い

祭祀の為に衣冠束帯をつけた神職は細かいところまでできないので、この神職の手伝いも巫女の仕事です。祭祀の補助のほか、斎戒(掃除)神饌の用意、など雑務一般というところになるでしょう。

参拝者の接遇

授与所でのお守りや御朱印の販売業務や参拝者の対応も巫女の仕事です。一般的なサービス業の接客と違い、独特の決まりや、言葉遣いもありますので慣れるまではしっかり勉強することが必要になります。

結婚式での仕事

神社で行われる神前結婚式の儀式などの執り行いを担当することもあります。ここで巫女舞を舞うこともありますので、舞踊の練習も必要となるでしょう。

 

元巫女による創作舞はこちら

一度は憧れる!?巫女になるためには?

ここまでの内容を踏まえて、「巫女になりたい!」と思われた方もいることでしょう。では、実際に巫女になる為にはどうしたらいいのでしょうか。ここから巫女の採用状況と巫女の採用条件などもみていきましょう。

助勤巫女・短期巫女・本職巫女

現代巫女にも

  • 年間通して神社で働く「本職巫女」
  • 繁忙期に採用される「助勤巫女」・「短期巫女」

に分けられます。

本職巫女はその神社の神職の近親者で代々引き継がれることが多く、採用は狭き門となっています。また、神道の養成機関で勉強した人が採用されるケースが多いので、一般の人が巫女として働く場合は、助勤巫女・短期巫女というアルバイトが多いです。

給料

巫女のアルバイトの給料は神社によって様々になりますが、時給で800円〜1,000円くらいが一般的です。日給のところもあり、1日8時間で日勤が8,000円、夜勤が10,000円くらいになります。

勤務時間の目安

アルバイトは繁忙期の短期になることが多く、1日勤務になることが多いようです。大晦日などの夜勤もあり、8時間労働となります。短時間のアルバイトも受け付けているところもありますが、採用倍率は高くなるようです。

身につくスキル

神社という場所で働くため、礼儀作法には厳しいようです。お辞儀の仕方や、歩き方などの基本的なところから、日本の伝統的な礼儀なども学ぶことができます。

神社や神道について、普段の生活では触れることの少ない知識の習得もできることでしょう。

また、たくさんの参拝客で賑わいますので、対応の臨機応変さや処理能力など、社会に出た際に必要なスキルも得ることができると思います。

面接や勤務時に気をつけること

巫女は神に仕える仕事ですので、身だしなみには特に気をつけなければいけません。髪は黒髪が基本です。また、ピアス、イヤリングや指輪などの装飾品は認めていない神社がほとんどです。

書道や運転免許、パソコンの作業もあるのでこちらのスキルもあると良いでしょう。

その他礼儀作法の基本として、お茶やお花、舞踊などの教養を持っていると採用には有利となります。

実際に働いてみた人の声

  • 年末年始のみの期間限定でお手伝いさせていただきましたが、普段はなかなかすることのできない経験ができたと思います。神様にお仕えするという身なので、しっかりとした気持ちで臨むことが大切だと感じました。年越しの瞬間にも多くの方々が神社にいらしており、日本の古き良き伝統なども感じることができました。また、仕事においてはまだ学生だったために知識不足な点も多くありましたが、仕事を終える頃には正しい知識をつけることができたのでとても勉強になったと思います。

 

  • 閉鎖的な環境というイメージが大変強い職場でしたが、実際に働いてみると、とても働きやすく服装など身だしなみの部分で最低限の注意点がありながらも、それ以外は仕事の自由度もありひとつひとつの業務に対してやり甲斐をもって集中することができました。特に、神社を利用されている方に対して笑顔と礼節をもって対応する事で、「ありがとう」という言葉をかけて貰えたりするのがとても嬉しかったです。先輩後輩間の交流も盛んで、仕事外での時間でも仲良くできたりと、人間関係もとても良好で働きやすかった点も良かったです。

 

  • 映画の中で巫女さんの姿がとても清楚で綺麗だったので憧れて巫女のアルバイトを始めました。 まずうれしかったのはやはりあの巫女の服を着れたことです。いざ着てみると着付けは難しいし、紐の結び方も特殊で、冬は寒くて、といろいろありましたが、やはりあの服を着て仕事ができたことはうれしかったです。また、神社の正しいお参りの仕方などとても勉強になりました。退職した後もとても役に立っています。 そしてお正月やお祭りなどの行事だけでなく結婚式のお手伝いに携われた事もとても大きかったです。教会の式とは違い、厳かでなんともいえない雰囲気の神社の結婚式はとても素敵で憧れました。その憧れから自分自身の結婚式も神社であげました。 不定期でお金にはならない経験だけのようなアルバイトでしたがやって良かったと思います。

巫女についての豆知識!?

神職に関わる仕事の言葉遣い

神社では参拝者に「ありがとうございました」ということはありません。これは参拝者が神様にお参りにきているので神社の人間がお礼を言うのは正しくないと言う考えからです。神社では参拝者には「ようこそお参りくださいました」と言うのが正しいのです。

またお守りなどの購入の場合も「〇〇円になります」や「お会計は〇〇円です」とは言わず、神様に納めるお金なので、「〇〇円のお納めでございます」や「〇〇円お納めください」となっています。

トイレの時は袴をスカートに!?

繁忙期での長時間勤務のある巫女ですが、トイレ事情はどうなっているのでしょうか。実は巫女の袴はスカートになっているものもあり、袴を履いたまますますことができるようです。

大きな神社では参拝者用とは別にトイレがある神社もあるようですが、多くの神社は一緒に利用しているようです。

ダンス(舞)の下手な私は御朱印書き!?

巫女舞などの特別な技術が必要な仕事は経験のある巫女が担当することになります。初心者の巫女は雑務から始まります。しかし、働きながらも技術の習得は可能ですので、「巫女舞を舞ってみたい!」と言う人は勉強してみてください。

【まとめ】神社の巫女について

神社の巫女について

  • 神社巫女の起源となる古代巫女は祈祷や占い、神霊の憑依をおこなうシャーマンだった。
  • 弥生時代以降、朝廷の巫と呼ばれる、祭祀を執り行う巫女が誕生する。
  • 地方の神社でも祭祀を巫女が行うようになる。
  • 明治時代以降、職業として神社で働く巫女が一般的になる。

現代巫女の仕事とは

  • 巫女舞の奉納
  • 御朱印書き
  • 神職のお手伝い
  • 参拝者の接遇
  • 結婚式での仕事

巫女になるためには

  • 巫女は神社で常勤する本職巫女とアルバイトの助勤巫女・短期巫女に分けられる。
  • 給料は時給800円から1000円くらい。年末年始では夜勤があるため手当てがつくところもある。
  • 通常は1日8時間労働だが、繁忙期は交代制の24時間勤務があるところもある。
  • お辞儀の仕方や歩き方など、礼儀作法の習得ができる。
  • 神社や神道についての知識が習得できる。
  • 身だしなみは黒髪が基本。ピアス、イヤリング、指輪などの装飾品は認めていない神社が多い。

神社での仕事ということで、特別感の強い巫女という職業ですが、資格や霊能力などは必要なく、仕事をする上でのスキルは他の職種と大きく違うことはないようです。

もちろん神に仕える仕事ですので、礼儀作法や、身だしなみなど、厳しい部分もありますが、興味のある方は一度、神社の求人案内を調べてみると良いでしょう。決して楽な仕事ではありませんが、巫女でしか習得できないスキルもありますので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。