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神社とは?意味や役割、起源など神社の基本を全網羅

神社とは 意味 役割

日本には現在、80,000もの「神社」が存在していることはご存知でしょうか。皆さんの地域にも必ずひとつは思い当たる神社があるはずです。

これだけ人々の生活に密着している神社ですが、実際に参拝をする機会が少ないという人もいらっしゃるでしょう。そもそも神社は何のためにあるのでしょうか。

ここでは神社について、どのような場所で、その役割とはどのようなものなのかご紹介していきます。

これを読めば、神社が我々に何をもたらしてくれているのか、その存在理由もわかることでしょう。

 

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神社について

神社とはどんな場所?

神社は日本古来の信仰のひとつ、「神道(しんとう)」の神々を祀る施設のことです。神道はいわゆる多神教であり、自然信仰となっていて、八百万の神という多くの神々がそれぞれの神社の祭神として祀られています。

  • 天神地祇

高天原と言われる天上に住む「天津神(あまつかみ)」と土着の神である「国津神(くにつかみ)」のことになります。天津神の筆頭は太陽神、光の神と言われる「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」で国津神の代表は「大国主命(おおくにぬしののみこと)」になります。

  • 皇室や氏族の祖神

皇室の祖神は「天照大御神」「瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)」で、他にも藤原氏の祖神である「天児屋尊(あめのこやねのみこと)」などとなります。

  • 偉人や義士の霊

「東郷平八郎」の東郷神社や、「佐久間象山」の象山神社など、偉人が祀られている神社もあります。祀られるための正確な基準はありませんが、時代や個人によるもののようです。

  • 自然や動物

富士山などの霊山と呼ばれるものや、岩や森、または狼や猿などを山の神として祀られる場合もあります。

  • 異国の神

日本の神社では海外から渡ってきた異国の神が祀られているところもあります。「方位神」や、「牛頭天王」などがそれにあたります。インドの「ダキニ天」も稲荷信仰と混同して信仰されているところもあります。

  • 怨霊

怨霊を神として祀ることを「御霊(ごりょう)信仰」といいます。御霊を祀り、祟りを鎮めて災を逃れようとしたものです。天満宮に祀られた菅原道真公や、祟道神社に祀られた早良親王などがこちらにあたります。

神社の起源は?

神を祀る神社の起源は、神が降りるとされた「磐座(いわくら)」や、神が棲むと言われる場所で、神事を行う際に建てられた「神籬(ひもろぎ)」と言われるものです。神籬は建物と言うより、祭壇に近く、神事の際のみに設けられるものです。古い神社には本殿がない場合も多いのはこの名残ということになります。

何のために神社に行くの?

神社が何のためにあるのか、と言う質問に、「願い事をするため」と答える人は多いと思います。もちろんその理由も間違ってはいませんが、本来の目的は、「日々の感謝を神様に伝えに行く」ことになります。

日本では八百万の神(やおろずのかみ)の信仰があり、これは自然信仰と呼ばれるものです。ありとあらゆる自然の中に神が存在し、人も自然の一部だということを認識して、生きていられることを、「自然の恵み=神」のおかげであるとし、神に感謝を伝えるために神社が存在します。神はそれを見て、我々に加護やご利益を与えてくれるのでしょう。

神社の社号、社格とは?

神社には、「社号」「社格」と呼ばれるもので区別されます。祀っている神や、規模の大きさによって幾つかの種類に分類されています。昔は国の管理下にあったため、国によって定められていましたが、現在は国の管理下から外れたため、どの社号を名乗るかは自由となっていますが、現在でも神社本庁に属する神社は神社庁の許可を得て社号を得ています。

  • 大神宮

現在は「東京大神宮」のみ許されている格式高い社号です。これは伊勢神宮より、皇祖である「天照大神」を勧請したことによりこの社号がつけられました。

  • 神宮

元々は「伊勢神宮」のことを「神宮」と呼んでいましたが、明治以降、皇室の祖先とされる神(皇祖神)や、天皇を神として祀る神社などを表す社号として定められました。現在では「伊勢神宮」の他、「明治神宮」「橿原神宮」など25社余りが存在しています。

皇族を祭神として祀る神社につけられる社号です。また、歴史上の重要な人物を祀る場合も使われることがあります。護良親王を祀った「鎌倉宮」や、徳川家康を祀った「東照宮」、また菅原道真公を祀った「天満宮」が有名です。

  • 大社

昔は「出雲大社」のみに使われていましたが、自由に社号を名乗れるようになると、規模の大きい神社が次々と大社という社号を名乗るようになり、現在では24の神社が大社を名乗っています。「熊野大社」「三島大社」「諏訪大社」などが有名です。

  • 神社

最も一般的で数の多い社号です。現在では80000以上の神社が存在しています。神社という単語は「神を祀る施設」という意味もありますので、神宮や大社も神社のひとつであると言えるでしょう。

「社格」は全国の神社をランク分けするものです。時代によって国が定めてきましたが、現在では廃止されています。しかし昔の名残として今なお受け継がれているのです。これは時代により種類が存在しており、古代・中世・近代で分けられています。

  • 古代

古代の社格制度は皇室関係の神を祀る「天津社」とそれ以外の「国津社」の二つのみで分けられていました。

  • 中世

ここでできた社格としては、朝廷が奉幣した22の神社や、地方の有力な神社を「一宮」「二宮」と呼ぶようになったもので、はっきりとした社格は作られていません。

  • 近代

明治維新後に新しく作られた社格制度ができたものです。こちらは新たに、「官社」「諸社」「無格社」と表されます。「官社」は祈年祭や新嘗祭の時に、国から奉幣を受ける神社のことで格式の高い社格となります。「諸社」は、「府県社」「郷社」「村社」に分類され、府県、市町村から奉幣を受けることで区別されます。「無格社」は法的に認められた奉幣を受けない神社となります。

お寺の違いとは?

ここまで神社についてご紹介しましたが、お寺との違いについて説明しますと、一番簡単な区別はお寺は仏教、神社は神道という異なる宗教の施設ということになります。歴史の流れの中で、「神仏習合」という考え方も生まれ、お寺の中に神社があり、神道の神々が祀られたり、その逆もあるのですが、基本的には違う宗教の建物と言うことになります。お寺には仏像やお墓があり、神社には鳥居があります。

 

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神社の役割とは?

神社は何のために建てられたの?

神社は神道の信仰対象である「神」をお祭りし、人と神の世界を結ぶ祭祀の場所でお社となります。

神社の境内は神が人界に降りる場所であり、神界へ繋がる神域なのです。

神社の各部の名称とその役割

神社にある建物にはそれぞれ理由と役割があります。それぞれご紹介していきます。

  • 鳥居(とりい)

鳥居は神社において神域と俗界を分けるもので、神域の入り口、門となります。鳥居をくぐる際は一礼し、「失礼します」という気持ちを神に伝えましょう。

 
 
 
 
 
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  • 参道(さんどう)

参道は神様の世界に近づく道です。ここに玉砂利が敷かれているのはシャリシャリと踏み締めることで身を清める意味があるそうです。参道は神様の通り道ですので、歩く際は中央を避け、脇を歩くようにしましょう。

 
 
 
 
 
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  • 狛犬(こまいぬ)

参道の脇に置かれている狛犬は神域に魔物が侵入しないように見張り、神様を守護しています。神社によっては狐や牛、猿といった動物が置かれているところもあります。

 
 
 
 
 
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  • 手水舎(ちょうずや)

参拝の前に手や口を清めるための水場です。

 
 
 
 
 
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  • 社務所(しゃむしょ)

神社で奉仕する神職や巫女が控えている場所です。厄払いや結婚式の申し込みをする場合はこちらで受付が行えます。

 
 
 
 
 
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  • 授与所(じゅよじょ)

お守りや、神札をいただく場所です。社務所と一緒になっている神社もあります。

 
 
 
 
 
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  • 境内社(けいだいしゃ)

中心である御社殿とは別に境内にいくつかのお社がある神社もあり、「摂社(せっしゃ)」「末社(まっしゃ)」と呼ばれますが、総称して境内社といいます。その神社の御祭神にゆかりのある神様が祀られることが多くあります。

 
 
 
 
 
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  • 御社殿(ごしゃでん)

神社の中心となる建物で、「拝殿(はいでん)」「幣殿(へいでん)」「本殿(ほんでん)」などで構成されています。本殿は神様のいらっしゃる建物で通常は閉ざされ、中をみることはできません。

 
 
 
 
 
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  • 神楽殿(かぐらでん)

神様に捧げる舞である「神楽舞」などが行われる場所です。結婚式で使われたり、地域の人々にお祭りの際に使用されたりすることもあります。

 
 
 
 
 
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神社で働く人とは?

神社で働く人は「神職(しんしょく)」「神主(かんぬし)」と呼ばれます。巫女は神職を補佐する役目なのでこの神職には含まれず、神職の資格は持っていません。現在では「助勤巫女」と呼ばれるアルバイトの巫女が一般的になっています。神職、神主は総称となっており、この中に役職、階級があります。

  • 宮司(ぐうじ)

宮司は神職の最高位で、神職や巫女をまとめる神社で一番格の高い階級です。ひとつの神社に必ずひとり置くことが決められているため、小さな神社では兼任する場合も多くなっています。一番階級が高いのですが、神職の中で最も人数が多いのもこの階級となっています。

  • 権宮司(ごんぐうじ)

宮司を補佐する階級で宮司の次にあたる位置になります。この権宮司が置かれるのは明治神宮など大きな神社だけとなっています。

  • 禰宜(ねぎ)

神の心を和ませてその加護を願う役目という意味の「和ませる」の「ねぐ」を語源としており、宮司、または権宮司の次につく役職です。宮司の補佐を行い、宮司がひとりで司る神社以外には必ず置かれる階級となっています。年長の者が務め、祭祀についても重要な位置を占める階級です。

  • 権禰宜(ごんねぎ)

禰宜の下位にあたる階級です。宮司や禰宜はひとつの神社にひとりまでと決められていますが、権禰宜の人数は制限は決められていません。

  • 宮掌(くじょう)

権禰宜の下位に位置する階級で、伊勢神宮や熱田神宮など特別な神社のみに置かれる階級です。伊勢神宮では定員が40名と決められており、宮司や禰宜の指示を受け、祭祀に従事します。

【まとめ】神社について

  • 神社は日本古来の信仰のひとつ、「神道(しんとう)」の神々を祀る施設。
  • 天原地祇・皇室や氏族の祖神・偉人や義士の霊・自然や動物・異国の神・怨霊などの様々な神が祀られている。
  • 神を祀る神社の起源は、神が降りるとされた「磐座(いわくら)」や、神が棲むと言われる場所で、神事を行う際に建てられた「神籬(ひもろぎ)」と言われるもの。
  • 神社は「社号」というもので階級付けがされ、大神宮・神宮・宮・大社・神社で分けられている。
  • 神社は「社格」というものがあり、時代により分け方が違うが、「天津社」・「国津社」や、「一宮」・「二宮」、または「官社」・「諸社」・「無格社」で分けられる。

昔から人々は、「人智を超えた存在=神」への畏敬の念を持って生活してきました。それは現在も変わらず、信仰の対象として残っているのです。神社はそんな人々にとって一番身近な「神を感じることのできる場所」であったのです。これからも正しい理解を持って参拝し、神へ感謝の気持ちを伝えていきましょう。きっとあなたの気持ちも神様へ伝わることでしょう。