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古神道をわかりやすく解説!神道との違いや歴史、参拝すべき神社など

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今もなお日本人の日常の中に溶け込んでいる日本の宗教でもある神道ですが、神道は実は2種類あるのをご存知でしょうか。それが「神道」と「古神道」です。

今回は「古神道」にスポットライトを当て、

  • 古神道について(古神道と神道の違いについてもご紹介しますよ。)
  • 古神道と関わりがある神社

大きく2つに分けてご紹介したいと思います。

古神道について気になっている人はもちろん、古神道を全く知らない人でもこの記事を読み終えた頃には「古神道とは何か」知ることができますよ。

 

元巫女による古式巫女舞をベースにした舞はこちら

古神道について

下記項目に分けてご紹介します。

  • 古神道とは?
  • 古神道と神道の違い
  • 古神道の歴史
  • 古神道の行法とまじない、呪文、印、呼吸法
  • 古神道に関わる祝詞
  • 現代の古神道解釈

それでは詳しく掘り下げていきましょう。

古神道とは?

Wikipediaでは下記のように書かれています(引用:Wikipedia)。

  1. 日本において外来宗教の影響を受ける以前に存在していたとされる宗教をいう。純神道、原始神道、神祇信仰ともいう。通常はこちらを古神道という。
  2. 江戸時代の復古神道の略称。
  3. 江戸時代の復古神道の流れを汲み、幕末から明治にかけて成立した神道系新宗教運動。仏教、儒教、道教、渡来以前の日本の宗教を理想としている。神道天行居や出雲大社教、神理教、古神道仙法教などの教団が存在している。大本などに影響を与えた。

まとめると、キリスト教や仏教、ヒンドゥー教などの宗教に一切影響されていない古代日本に自然発生的に生まれた自然信仰。それが、古神道です。いつからかは定かではありませんが縄文時代から始まったとされています。

古神道と神道の違い

その違いは「影響を受けているものがあるか・ないか」です。

  • 古神道

他の宗教の影響を受けていない神道(仏教伝来以前から日本人が信仰していたもの)

  • 神道

1300年前ごろから入ってきた仏教の影響を受け儒教、キリスト教など様々な宗教と混ざり合ったもの

 

日本人は岩や木、火や水などの自然物から人や物、食べ物にも神様は宿っているという「八百万の神様」の考えを持っていたため、仏教や儒教、キリスト教を受け入れる柔軟性がありました。

すなわち「神道と複数の宗教を都合よく混ぜて使うこと」に躊躇がなかったのです。

例えば、大日如来(仏教)が日本では天照大御神(神道)の姿になり、阿弥陀如来(仏教)は八幡神(神道)の姿である、というように神道の神様と仏教の神様は同じなんだという考えがまさに「神道と仏教を混ぜて使っている」のがわかります(本地垂迹(ほんじすいじゃく)説)。

古神道の歴史

神道自体の歴史は古いですが、実は「古神道」と「神道」区別をつけ始めたのは150年ほど前と比較的歴史は浅いです。

明治時代、海外との交流が頻繁になってきたこの時代に日本は国民国家として西欧諸国に対抗するべく、天皇を中心とする日本独自の宗教を確立させる必要が出てきました。

それまでは仏教やキリスト教など神道以外の宗教も包含してきた日本でしたが、神道を日本の宗教(国家宗教)として扱うべく、教義も曖昧だった神道をしっかり決める必要性も出てきました。

  • 神道と仏教は違う宗教である(神仏分離)
  • 仏教であるお寺を壊す仏教破壊運動(廃仏毀釈)

といった主張や運動が起こり始めたのもこの時代です。

その流れの中で、神道の起源を明らかにしたいという流派が現れ「古神道」と「神道」を区別されるようになったのです。

古神道の行法とまじない、呪文、印、呼吸法

ただし、この明治期に定義された古神道も、実は中国の仏教や儒教、陰陽五行説といった中国思想が取り入れられています。

「古神道とは、他の宗教の影響を受けていない神道をいう」という定義であるはずが、中国の思想が取り入れられていることに矛盾を感じるかもしれません。実際本当に古代から伝わっているものがあるのかもしれませんが、長い歴史のなかで様々なものを取り入れてきたため、もはや真偽がわからなくなっているのです。

これらの行法、まじない、呪文、印、呼吸法は今現在も継承されていますが、一般の人が勝手に行って良いものと悪いものがあるため、インターネット上では情報はあまり明かされていないようです。もし興味がある方は古神道の教義を熟知した人に話を聞くことをオススメします。

古神道に関わる祝詞

現在でも神社で奏上される「天津祝詞」もまた古神道にかかわりがある祝詞の一つです。

この祝詞も曖昧でしたが、平田篤胤や本田親徳らが儒教や仏教を強く嫌い、日本古来の純粋な信仰を尊ぶ「復古神道」にまとめ上げたことにより祝詞が明確になりました。復古神道は幕末維新の思想に多大な影響を与えたと言われています。

復古神道で明確になった祝詞の中でも次のものが有名です。

  • 天津祝詞(禊祓詞)
  • ひふみ祝詞
  • 最要祓(さいようはらえ)
  • 神通自在心源清浄祓(じんづうじざいしんげんせいじょうはらえ)
  • 一切成就祓
  • 三種大祓

古神道の祝詞は一般の人も読み上げるだけで幸せが舞い込むものもあれば、逆に知られていない力があり読むのは危険とされているものもあるとされています。

現代の古神道解釈

現在では、

  • 新宗教で古神道を名乗る宗派
  • 古神道仙法教
  • 古神道本宮身曽岐神社の流れを受け継いでいる宗派

などがあります。神理教や天理教も古神道の一つです。

あまり普段関わりがないため中にはカルト団体のイメージを持つ人も多いですが、実際にカルト団体である可能性もあれば、古神道の一流派の可能性もあります。

怪しいと感じるけれど少し興味がある、しかしカルト団体だったらどうしようという不安を感じる方は、YouTube上で古神道について熟知している方々が「古神道とは何か」を詳しく語ってくださっています(下記動画参照)。

様々な人のお話を聞きこの人は自分に合う考えだな、と思った方に実際に合ってみるという方法をとっても良いでしょう。

ここまでは「古神道について」をご紹介してきました。

次は「古神道と関わりがある神社」をご紹介したいと思います。少し気になった方はそこに実際に訪れてみるのも良いでしょう。

 

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古神道と関わりがある神社

今回ご紹介するのが次の3つの神社です。

  • <山梨> 身曾岐神社
  • <神奈川> 大元稲荷神社
  • <奈良> 石上神宮

では詳しく見ていきましょう。

<山梨> 身曾岐神社

山梨県にある身曾岐神社は1985年(昭和60年)に創建された神社で、御祭神・井上正鐵(いのうえまさかね)翁がお伝えになった古神道の奥義「みそぎ」の大切さを伝える神社です。

またフォークデュオである「ゆず」が度々同内能楽殿でライブを行っていたり、2011年10月20日にはゆずの北川悠仁とフリーアナウンサーの高島彩が挙式したことでも有名なため、中には聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。

この神社では古神道の奥義に則った火の神事、水の神事を見ることができますよ。

<神奈川> 大元稲荷神社

HPもなくインターネット上ではあまり情報がない神社。お賽銭箱や宮司さんもいない小さな神社です。

古神道についての看板も特にないため信憑性が低いですが、朱色の美しい神社ですので気になった方はふらっと立ち寄ってみるのも良いと思います。

<奈良>石上神宮

こちらの神社は日本最古の神社の一つで健康長寿・病気平癒・除災招福・百事成就の守護神として信仰されていいます。古神道と深いつながりがあるというよりは、ひふみ祝詞と深いつながりがある神社です。

この神社では毎朝午前8時30分より朝拝神事が行われており、そこではひふみ祝詞の他にも

  • 大祓詞(おおはらえのことば)
  • 十種祓詞(とくさのはらえのことば)
  • 神拝詞(しんぱいし)
  • 称言(たたえごと)
  • 明治天皇御製(二首奉唱)

を奏上することができます。気になった方は当日にお電話して確認を取れば参加することができますよ。(詳細は:HP石上神宮

【まとめ】古神道について

ではまとめに入ります。

古神道とは?

キリスト教や仏教、ヒンドゥー教などの宗教に一切影響されていない古代日本に自然発生的に生まれた自然信仰

古神道と神道の違い

  • 古神道

他の宗教の影響を受けていない神道(仏教伝来以前から日本人が信仰していたもの)

  • 神道

1300年前ごろから入ってきた仏教の影響を受け儒教、キリスト教など様々な宗教と混ざり合ったもの

古神道の歴史

「古神道」と「神道」区別をつけ始めたのは150年明治時代

国民国家として西欧諸国に対抗するべく、天皇を中心とする日本独自の宗教の確立させる必要が出てきたことにより教義も曖昧だった神道をしっかり決める必要性も出てきたことをキッカケに、神道の起源を明らかにしたいという流派が現れ「古神道」と「神道」を区別されるようになった

古神道の行法とまじない、呪文、印、呼吸法

中国の仏教や儒教、陰陽五行説といった中国思想が取り入れられている。「古神道とは」では他の宗教の影響を受けていない神道が古神道であるという定義であるはずだが長い歴史のなかで様々なものを取り入れてきたためもはや真偽はわからなくなっている状態。

古神道に関わる祝詞

  • 天津祝詞(禊祓詞)
  • ひふみ祝詞
  • 最要祓(さいようはらえ)
  • 神通自在心源清浄祓(じんづうじざいしんげんせいじょうはらえ)
  • 一切成就祓
  • 三種大祓

古神道の祝詞は一般の人も読み上げるだけで幸せが舞い込むものもあれば、逆に知られていない力があり読むのは危険とされているものもあるとされているため注意が必要。

現代の古神道解釈

現在では新宗教で古神道を名乗る宗派や、古神道仙法教や古神道本宮身曽岐神社など宗派の流れを受け継いでいる宗派もあるが、カルト宗教であるというマイナスイメージを持っている人が多い。

 

以上、今回は古神道について詳しくご紹介いたしました。「古神道って怪しいものではないのか」と思っていたけれど、実際は古来から受け継がれてきたものだったのが驚きですよね。

この記事でご紹介した動画以外にも様々な人が古神道について語ってくださっています。気になった方はぜひ見てみてはいかがでしょうか。