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舞楽を習うのにおすすめの教室3選!基礎知識もおさらい

舞楽 習う 教室

日本最古の舞踊として挙げられる「舞楽(ぶがく)」ですが、その由来や舞の内容についてご存知の方は少ないと思います。

日本舞踊や歌舞伎、神楽舞など様々な舞の元となった舞楽に興味を持ち、「自分も舞ってみたい!」と思った方もいるのではないでしょうか。

ここではこの「舞楽」を習うことのできる教室についてご紹介します。

舞楽についての知識のない方にもわかりやすく舞楽について説明からご紹介していきますのでぜひ最後まで読んでみてください。

きっと舞楽についての興味が湧き、習ってみたくなると思いますよ。

 

元巫女による創作舞はこちら

舞楽を習う前に知っておきたいこと

舞楽とは?

舞楽は

  • 中国大陸から伝わった「唐楽(からがく)」
  • 朝鮮半島から伝わった「高麗楽(こまがく)」

が源流となり、これに日本にあった

  • 「倭唄(しずうた)」
  • 「久米歌(くめうた)」
  • 「神楽歌(かぐらうた)」

などの歌と舞いを合わせて10世紀頃の平安時代に形となった舞のひとつです。

現在では神社での神事などでも使われ、広く全国で舞われることになっています。

多種多様な種類

一口に「舞楽」と言っても大きく分けて2つに分類されています。それは前述した伝来の種類によって分けられます。

  • 中国大陸より伝わった中国系の楽舞「唐楽」を源流とするものを「左方(さほう)」または「左舞(さまい)」
  • 朝鮮半島より伝わった朝鮮半島系の楽舞「高麗楽」を源流とするものを「右方(うほう)」または「右舞(うまい)」

と呼びます。

左舞と右舞では舞い方の特徴や、楽器の編成、音楽の響き方に違いがあります。楽器についてはどちらも管楽器と打楽器による音楽となっています。舞は左右それぞれに特徴があり、対照的な舞いとなっています。

これは当時の日本が渡来してきた文化に対して、雑多に併存してきたものを大きく二分化する風潮が強かったことが挙げられます。

宮中の武官である近衛府の官人は左右に分かれて様々な武技を争うようになり、又、左を陽、右を陰とする陰陽思想などとも結びつき、多くの対称性を持った日本独自の舞楽へと整えられたのです。

演目の構成としては、3部構成になっており、

振鉾三節(えんぶさんせつ) 

  • 舞台を清めるため、鉾を振ります。一節を左、二節を右、三節を両方で舞うことからこのように呼ばれています。

番舞(つがいまい)

  • 左方と右方が交互に演目を行います。似た演目同士を組み合わせることからこのように呼ばれます。また、交互に舞う際に対となる舞があり、これを「答舞(とうぶ)」と呼びます。

長慶子(ちょうげいし)

  • 最後の退出の際に舞う軽快な楽曲です。

となります。また、舞の種類として、

平舞(ひらまい)

  • 「文舞(ぶんのまい)」ともいい、抽象的な動きでの緩やかなテンポの舞です。4〜6人で舞い、互いに対照的な動きで方向を変えながら舞の型を進めます。左舞では面を使わず、右舞では面をつける演目もあります。

武舞(ぶのまい)

  • 太刀を身につけ、楯や鉾などを手に持ち、1人〜4人で舞います。陣形を変えながら戦う合戦をイメージした舞となり、迫力のある勇壮な舞となっています。演目ごとに「別装束」と呼ばれる固有の衣装があります。

走舞(はしりまい)

  • 「走物(はしりもの)」とも言われ、舞台上を活発に動き回る舞で、1人〜2人で舞います。平舞に比べて曲のテンポが速く、旋律に特徴のある曲が多くあります。動きやすい袖や裾の絞られた衣装で面をつけて舞われます。伝説に基づいた物語調の内容となっています。

童舞(わらわまい)

  • 子供による舞です。面は使わず、顔を白塗りに化粧をして舞うことが多いようです。

の4種類に分けられています。

「左舞」の特徴

左舞は中国系の舞、「唐楽」に由来し、平安時代に整えられました。音楽は唐楽が用いられ、衣装は赤系統の色で統一され、左側後方より登場することや、左足を軸とした動きなど、「左」をキーワードとした演出がなされています。

舞いは前後の舞を互いに溶け込ませるような流れる動きが特徴的になっており、おおらかで優雅な振り付けがなされています。

楽器は唐楽で使用される

  • 「笙(しょう)」
  • 「龍笛(りゅうてき)」
  • 「篳篥(ひちりき)」

の管楽器と

  • 「鞨鼓(かっこ)」
  • 「太鼓(たいこ)」
  • 「鉦鼓(しょうこ)」

の打楽器となります。

左舞の音楽としては「笙」の存在が大きな特徴で、切れ目なく奏でられる和音が華やかでふんわりとした音楽を生み出します。また、「鞨鼓」で多用される細かい連打奏法も唐楽の響きをいっそう柔らかいものにしています。

「右舞」の特徴

右舞は朝鮮半島系の舞、「高麗楽」に由来し、高麗楽の音楽が使われます。衣装は左舞と対照的に緑系統の装束に統一され、右後方からの登場や、右足を軸にした動きとなっています。

舞は型の切れ目がはっきりした、一連の動きが短く、リズミカルなものになっています。

楽器は高麗楽で使用される

  • 「高麗笛(こまぶえ)」
  • 「篳篥」

の管楽器で、唐楽で使われる「笙」・「龍笛」の代わりに「高麗笛」が使用され、

  • 「三ノ鼓(さんのこ)」
  • 「太鼓」
  • 「鉦鼓」

の打楽器は「鞨鼓」の代わりに「三ノ鼓」が使われます。

唐楽と違い、笙が使われないことにより、高麗笛と篳篥が奏でる旋律の輪郭が際立って聴こえることが特徴で、三ノ鼓は鞨鼓と違い、長短のある一定の間を持つ打ち方で簡素なリズムとなっています。曲調は唐楽に比べて簡素で、旋律は一定の部分、もしくは曲全体が繰り返し演奏できるように整えられています。

 

ではここからは実際に舞楽を習いたい人におすすめできる教室をご紹介していきます。

 

元巫女による創作舞はこちら

舞楽を習うならココ!おすすめ3選

三田徳明雅楽硏究會(東京都)

1978年設立の瑞穂雅楽会を前身として2001年に雅楽瑞朋会が設立、2011年に雅楽瑞鳳会に改名しこの上部硏究機関として創設された、京都方阿倍流雅楽師範の三田徳明氏が主宰の団体です。雅楽の楽器演奏の指導の他、舞楽の教室も開催しており、初心者から本格的に習いたい方まで幅広く対応しています。

<HPはこちら>

市谷亀岡八幡宮 巫女舞・舞楽稽古(東京都)

神社で習うことのできる講習会です。御神前での奉奏を最終目的とした本格的な講習で、作法や精神的な涵養も身につけることができ、最低でも3年程度通う心構えが必要です。月2回のお稽古となり、しっかり舞楽を学びたい方におすすめできる内容になっています。

<HPはこちら>

I.G.O音楽教室 雅楽レッスン舞楽コース(東京都)

ボイストレーニングから各種楽器まで習う音楽教室です。こちらに雅楽コースがあり、雅楽楽器の演奏や舞楽も習うことができます。月2回からのレッスンでマンツーマンで受講できます。

<HPはこちら>

【まとめ】舞楽を習うなら

  • 三田徳明雅楽硏究會(東京都)
  • 市谷亀岡八幡宮 巫女舞・舞楽稽古(東京都)
  • I.G.O音楽教室 雅楽レッスン舞楽コース(東京都)

一見敷居の高そうな舞楽ですが、日本舞踊の始まりとも言え、日本文化の歴史に興味のある方には大変興味深い内容だと思います。

今回ご紹介した教室では体験教室や見学ができたりもしますので、ぜひお問い合わせしてみてください。