2020/10/08

神楽殿とは?どんな構造?神楽殿が有名な5つの神社はこちら

神楽殿とは 構造 明治神宮

神社の境内には様々な建築物を見ることができますが、その中に「神楽殿(かぐらでん)」というものがあります。

神楽とは日本の神道の神事で神に奉納するための歌舞です。神楽の語源は「神座(かむくら・かみくら)」からきており、「神の宿るところ」という意味です。ここに神を降ろし、人々の穢れを祓い、巫女による神がかりで人々と交流する神事でここで舞が舞われます。これが神楽で、この神楽を舞う建物が神楽殿です。

演劇でいう舞台のようなものになりますが、神社に参拝に行ったときなどはあまり意識されない方もいると思います。

ここではこの神楽殿についてご紹介いたします。本殿や、拝殿などと並び、神社によっては特徴的な建築物でもある神楽殿とはどういったものなのか。

これを読めば違った角度で神社の参拝、観光が楽しめると思います。

 

元巫女による古式巫女舞をベースにした舞はこちら

神楽殿とは?

神楽を舞うための舞台

神楽殿は神社にある神楽を奉納するために建てられている祭場・舞台のことです。本殿や拝殿の他に、神楽殿が建てられている神社もあり、神社の規模によって有無や大きさに違いはありますが、神楽を奉納する際はこの神楽殿が使われます。

神楽殿の他に「舞楽(ぶがく)」と呼ばれる、中国や朝鮮から伝えられ、日本の雅楽と結びついた舞を奉納する「舞殿(まいどの)」と呼ばれるものもありますが、現在では名称の違いに留まり、大きく区別されることはないようです。

神楽殿の構造

神楽殿は神社の入り口である鳥居から神様の依代が安置されている本殿、境内の中心に建てられることが多く、本殿手前の祈りの場である拝殿を神楽殿と兼ねている場合もあり、また拝殿と回廊により繋がっている建築様式も多く見られます。拝殿と供用されている場合は、本殿より大きめに作られていることが特徴として挙げられます。

独立した神楽殿がある神社では、その規模により大きさは様々になりますが、どちらも柱の本数は少なく、開放的に造られることが多く、高床式になっています。神様を降臨させるための舞台となりますので、人々の目線より高い位置になっているのでしょう。

また造りは屋根と柱だけの簡素な造りのところや、彩飾が施されたところまで、神社によって様々です。

その在り方に明確な決まりはないので神社によっての個性が大きく現れている建築物が神楽殿と言えるでしょう。

神楽殿で舞われている神楽の動画もご紹介します。こちらは伊勢神宮での神楽舞です。

神楽殿はどこにある?

ここからは全国にある神社で神楽殿が有名な神社をご紹介します。観光や参拝でも有名な神社になりますので訪れた際は神楽殿にも注目してみてください。

出雲大社(島根県)

出雲の国は神々をお祀りする古い神社が多くあり、「神の国」、「神話の国」として有名です。その中心が「大国主神(おおくにぬしのかみ)」をおまつりする出雲大社です。

大国主神は広く「だいこくさま」として慕われており、縁結びの他に、農業や医薬の神様とされ、国を作った神様です。

こちらの神楽殿は本来、出雲大社宮司家の大広間として使用されていたものを明治時代に入り、神楽殿として使用するようになりました。現在では神楽の他にも神前結婚式を始め様々な祭事・行事が行われています。

昭和56年に現在の建物に建て替えられ、その大広間は270畳の広さを誇ります。

特徴としては神社建築には珍しく、正面破風の装飾にステンドグラスが使われています。また、正面の大注連縄は長さ約13メートル、重さは5.2トンに及びます。こちらは通常正面から見て左に捻っていくのに対して右に捻っています。出雲大社には数多くの謎がありますが、この大注連縄の捻る向きもそのひとつとされています。

 
 
 
 
 
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明治神宮(東京都)

明治神宮は明治天皇と昭憲皇太后をおまつりする神社です。初詣での参拝者の数は日本一ということでも有名です。

東京の中心にありながら緑多く、とても厳かな雰囲気で、年間を通し祭典や行事が行われており、広い境内も賑やかな一面も見ることができます。また境内内には重要文化財の宝物殿や、花菖蒲の咲く御苑、ミュージアムやカフェも設置されていて参拝の他にもゆっくり過ごすことのできる施設もあります。

こちらの神楽殿は境内中央の御社殿に隣接され、毎日厄払や初宮詣、七五三詣などのご祈祷が行われています。

また個人でも神楽舞による奉納も行われており、明治神宮オリジナルの「倭舞(やまとまい)」が舞われる他、神前結婚式なども行うことができます。

造りは地上1階、地下2階の鉄筋コンクリート造りで、1階はガラス張りという近代的な造りとなっていますが、神楽が奉納される神楽殿そのものは建物の中にあり、ここだけは木曽檜を使った木造建築となっています。

屋根は上部に切妻造のような左右2方向に向かう勾配があり、下部に寄棟造のような4方向への勾配の「入母屋屋根」と、前方が長く伸びている「流造」が組み合わされた造りになっています。

祈祷を申し込んだ人が座する「願主席」は160畳の広さがあり、最大800名参列できる広さです。

 
 
 
 
 
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西田 一裕(@nishida_k)がシェアした投稿 – 2016年10月月3日午後5時56分PDT

 

大國魂神社(東京都)

「大國魂大神(おおくにたまのおおかみ)」を武蔵国の守り神としてお祀りした神社です。大國魂大神は出雲の大国主神と御同神で医療、縁結び、厄払いの神様となっています。

こちらの神楽殿は平安時代末期に建てられ、改修を重ね、現在の建物になっています。特徴は舞楽の影響が強い正方形に近く、壁のない高舞台に匂欄のついたものになり、能舞台に近い形状になっています。

秋の例祭である「くり祭り」などでは行灯や花笠で彩られた参道や神楽殿での神楽舞を鑑賞することができます。

 
 
 
 
 
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伊勢神宮(三重県)

正式な名称は「神宮」と言いますが、他の神社と区別するために現在では「伊勢神宮」「お伊勢さん」と呼ばれています。

こちらは内宮と外宮に分かれていますが、内宮には皇室の御祖先であり、太陽神とも言われる「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」が祀られ、外宮には天照大御神のお食事を司り、産業の神でもある「豊受大御神(とようけのおおみかみ)」が祀られています。「外宮先祭」という習わしがあるので外宮から先に参拝するのが正しい伊勢参りとなります。

ここでは内宮と外宮、それぞれに神楽殿が併設されています。また舞楽・神楽ともこちらの神楽殿で行われます。

神宮ではご祈祷は「御饌」と「御神楽」という二つの形で行われます。御饌は御祓の後、御神前に神饌というお供えをし、お願い事を大御神にお届けします。御神楽は雅楽の調べとともに舞を奉納するご祈祷です。この御神楽は神楽殿にて行われ、申し込みにより、誰でも行うことができます。初穂料によって内容も変わりますが、ここでしか見ることのできない「倭舞(やまとまい)」と呼ばれる舞は必見です。

 
 
 
 
 
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藤原 玲紫(@fujiwaranarumi_tf)がシェアした投稿 – 2020年 1月月3日午後5時04分PST

 

泊神社(兵庫県)

天照大御神が天岩戸に隠れられたときに八百万の神々が怒りを解くために鏡を造り、ひとつを伊勢神宮、もうひとつは海に流され、それがこの神社のある場所に流れ着き、祀ったのが始まりとされ、御祭神は天照大神・少彦名神(すくなひこなのかみ)・国懸大神(くにかかすのおおかみ)となります。

神楽殿は本殿の手前にあり、入母屋造り本瓦葺で1653年に建てられ、1988年に改修されています。

 

 
 
 
 
 
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TORIInsta(@jinjaponippon)がシェアした投稿 – 2019年 2月月3日午前8時40分PST

【まとめ】神楽殿について

神楽殿とは

  • 神社にある神楽を奉納するために建てられている祭場・舞台のこと。
  • 舞楽を舞う「舞殿」という建物もあるが、現在ではその区別は曖昧になっている。
  • 神社によっては拝殿と神楽殿を兼ねているところもある。
  • 柱の本数は少なく、開放的に造られることが多く、高床式の建築様式が一般的。

神社といえば本殿・拝殿といったところがクローズアップされることが多いですが、お祭りや神事の際のメインとなる神楽殿も神社の大切な建築物と言え、その様相は神社によって特徴があり、見ていても気づかされることが多い建物です。

この神楽殿によってこの舞台で行われる神楽の舞も、一段と荘厳で雅な舞に色付けされるのでしょう。

神楽を見られる際はぜひ、行われている神楽殿にも注目して見てください。

 

元巫女による古式巫女舞をベースにした舞はこちら