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神がかりとは?憑依との違いって?日本で有名な神がかり4選

神がかり とは

神がかりってどういうことでしょうか?憑依とは何が違うのでしょうか?改めて聞かれると、うまく説明できませんよね。

この記事では

  • 神がかりとは何か
  • 神がかりと憑依の違い

を説明し

  • 日本での神がかりの代表例

をご紹介していきます。具体的な事例があるので、記事を読むことで理解が深まると思います。

 

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 神がかりとは

神がかり状態とは?

神がかりとは

  • 神霊その他霊的存在が人身にのりうつること。神懸り、神憑りとも表記される

状態です。

神がかりでは、多少のトランス状態に入ります。トランス状態とは、通常の意識状態ではなくなり、魂が抜けたような状態になったり、別人の魂が入り込んだようになったりする状態を指します。意識が他の何かに乗っ取られたような状態を想像するとよいと思います。そして、その霊的存在の影響で言葉を発したり、行動したりするのです。

では、どんなものがのりうつるのかというと、神霊・死霊・祖霊・精霊・生霊・動物霊・妖怪などが考えられます。

まとめると、

神がかりは、神霊などが人にのりうつり、トランス状態に入り、その霊的存在として行動する又は霊的存在から影響を受けて行動する状態

と言えます。

次に、神がかりと憑依の違いをみていきます。

神がかりと憑依の違い

神がかりは、憑依よりも狭い概念です。

【憑依】

  • 人物・事物・自然物など様々なものへの霊的存在ののりうつり

【神がかり】

  • 人物へののりうつりに限り用いられることが多い

 

霊的な存在がのりうつるということでは一緒ですが、神がかりの方が人へののりうつりに限定されています。

ということは、人に対するのりうつりであれば、憑依も神がかりもほぼ同義だととらえてよいでしょう。

意図的神がかりと非意図的神がかり

神がかりには意図的神がかり非意図的神がかりがあります。

どういう違いかと言うと、

 

【意図的神がかり】

  • 意図的・自発的に神がかり状態となり、霊的存在と人間との媒介者として、託宣・予言・治病行為をおこなう
  • 巫者(ふしゃ)・巫女などシャーマンがおこなう

【非意図的神がかり】

  • 突発的、あるいは徐々にある人物に霊的存在がのりうつり、その人物が正気を失ったようにトランス状態でふるまう
  • 世界各地にみられる憑依の一形態
  • この場合は、シャーマンなどにより祓霊(ふつれい)し正常な状態にする
  • 日本では死霊・生霊や、キツネ・タヌキなどの動物がつくとされる
  • 外国では悪魔憑き・トラ憑き・ワニ憑きなどが知られる

 

キツネ・タヌキは日本的でイメージが湧きますが、トラやワニとは面白いですね。

意図的神がかりを行うシャーマンも、シャーマンになる前は、神霊に選ばれ非意図的神がかりを繰り返すことが多いと言います。

両者の違いは、自分から神がかり状態になるか、とり憑かれる状態で神がかりが起きるか、ということです。

それでは、どんな人が神がかりをおこなうのでしょうか。

神がかりをする人とはどんな人?

日本で神がかりをおこなう人(行事)は

  • 東北地方のイタコ
  • 関東・中部地方の御嶽(みたけ)行者
  • 沖縄のノロ
  • 山陰地方の大元神楽(おおもとかぐら)

と全国各地にいます(あります)。

それぞれについて具体的にみていきましょう。

日本での神がかり例

イタコ

イタコは、東北地方にいるシャーマンです。日本3大霊場の恐山にいることでも有名です。神がかり(口寄せと呼ばれています)により、霊を自分に憑依させ、霊の代わりにその意志などを語る、代表的な存在です。

御嶽(みたけ)行者

御嶽行者とは、岐阜県と長野県をまたぐ木曽御嶽を霊山として崇める御嶽信仰において、行者として修業を積んでいる人のことです。この御嶽信仰では、神降ろしの儀礼である「御座(おざ)」が重要な役割を果たしています。

御座では、神仏や霊神が降臨・託宣しますが

  • 憑坐役の「中座(なかざ)」
  • 中座に神霊を降ろす神霊統御役の「前座(まえざ)」

が向かい合って儀式を行います。

憑依される役と、それをコントロールする役があるというのが面白いですね。

ノロ

沖縄にいるシャーマンで、琉球神道における女性祭司です。古来沖縄のアニミズムや祖霊信仰で信仰されている神々と交信することのできる存在と考えられています。

祭祀の際には、自身の身に神を憑依し、神そのものになる存在と考えられています。それゆえ、神人(かみんちゅ)と呼ばれたりもします。

大元神楽(おおもとかぐら)

島根県の桜江町に、大元信仰に由来する大元神楽があります。

神楽とは、五穀豊穣を祈って奉納される神事で、華やかな衣装や表情豊かな神楽面をつけ舞う郷土芸能です。

大元神楽は、6年に一度の神楽年に田畑の収穫を終えた晩秋の頃に、夜を徹して行われます。神様をお招きし、神がかりをおこない、楽しんでいただき、お告げをいただくという他の神楽にはない特徴があるのです。

【まとめ】神がかりとは 

これまでの内容をまとめていきます。

神がかりとは?

  • 神霊などが人にのりうつり、トランス状態に入り、その霊的存在として行動する又は霊的存在から影響を受けて行動する状態

神がかりと憑依の違いは?

  • 神がかりは、人への憑依に限定されている

日本での神がかりの具体例は?

  • 東北地方のイタコ
  • 関東・中部地方の御嶽(みたけ)行者
  • 沖縄のノロ
  • 山陰地方の大元神楽(おおもとかぐら)

 

日本にはたくさんの神がかりの例があることが分かりましたね。具体的な例をみていくことで、理解が深まったのではないかと思います。

 

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