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本来、巫女は処女ではない?巫女の処女性に対する歴史と今

巫女 処女

神社でも特に目を引く白衣に緋袴の女性「巫女」のことは皆さん目にしたことがあると思います。

中にはあの装束や、舞を舞う姿を見て、「私もなりたい!」と思っている方もいるのではないでしょうか?

では、巫女になるための条件・資格などはどうなっているのでしょう。特に気になるのは年齢や既婚、未婚についてだと思います。

ここではそんな巫女になるための条件についてご紹介していきます。

巫女になりたいと思ったときに一番疑問に思う部分がわかり、また、巫女についての条件の歴史も知ることができると思います。

 

元巫女による創作舞はこちら

巫女と処女の関係性について

巫女が処女であることを求めるかどうかは、歴史的な視点と現在での視点では異なります。

まずは、歴史的な視点からみていきましょう。

 

巫女は大きく分けて2つに分類されます。

  • 神道の神社に働く「神社巫女」
  • 神霊を自らの肉体に降ろしてお告げや儀式を行う「口寄せ巫女」

です。

神社巫女は神道で祭祀に関わる女性で、これは明治時代に神職が男性に限定されたため、巫女は祭祀の補助者という立場になりました。また、この頃から、巫女による「巫女神楽」という巫女が神様に捧げる儀式的な舞を舞う文化も起こり、神社で神に奉仕する者という位置づけになりました。

口寄せ巫女は自らに神霊を憑依させ、生ける者と死せる者を会話させたり、神のお告げを伝える能力を持っている巫女です。古くは邪馬台国の「卑弥呼」や宇佐の「女禰宜(にょねぎ)」「斎王」などがあげられます。現在では恐山の「イタコ」や奄美の「ノロ」などがこの口寄せ巫女と呼べるでしょう。

巫女=神子(みこ)、古代皇族の娘・斎王とは?

巫女は「神子(みこ)」と書くこともあります。神の子という意味ではなく、神に仕える子で神の妻でもあります。

古代の日本では、皇族の未婚の娘が「斎王(さいおう)」として神に仕えていました。「斎王」は神の妻で生涯、精進潔斎して結婚することはできませんでした。そのため神の妻という巫女は未婚の女性に限られていたのです。

アメノウズメの存在

巫女の起源とされる古事記の神話に「岩戸開きの段」というものがあります。これは天照大御神(あまてらすおおみかみ)のため、技芸の女神の「アメノウズメ」が舞を舞い世界を救ったとされており、このアメノウズメが巫女の始まりとも言われています。

アメノウズメは岩戸の前で半裸で舞を舞ったことから、巫女はセクシーな存在でもありました。これはのちの「遊び女」や「渡巫女」などに受け継がれています。

奈良時代、禁欲性の導入

その後、奈良時代には禁欲的な仏教が国策として導入された結果、徐々に神道巫女のセクシャルな要素は排除され、仏教的な禁欲の戒律を得つつ、神の妻というイメージが残り、近代日本では神社巫女の処女性が重視されるようになるのです。

これは、神社巫女と口寄せ巫女などの憑依巫女との大きな差異となっています。

巫女=処女と連想されるようになった理由

このように古代では「神に仕える子」、「神の妻」として未婚の女性が巫女としての資格を持ち、またセクシャルの象徴でもあったわけですが、その特色故に仏教などの影響を受け、神聖さ=未婚・処女といった流れが出来上がっていったと考えられます。

 

では、現代の巫女はどうなっているのでしょうか。ここからは現代の巫女についてご紹介します。

 

元巫女による創作舞はこちら

現代の巫女は処女なの?

現在の巫女は女性神職が行っている場合もありますが、そのほとんどはバイトとして働いている方がほとんどです。

巫女の場合はバイトとは言わず「助勤巫女」と呼ぶのですが、その採用条件はどのようになっているのでしょうか。

巫女=処女でなくてはならない、といった都市伝説のような噂も聞きますがこれは本当なのでしょうか。

現代の巫女は処女なのか?

神社本庁のWEBサイトには巫女の条件として、

「心身共に清浄であり、未婚であること」

とあります。ひと昔前は「嫁ぐまで体を許してはならない」といった貞操観念が根付いていたため、未婚と言えば「処女」と考えられていたのでしょう。そのため巫女=処女といった噂が流れたと考えられます。

よって、正確には未婚者という条件はありますが、処女に限る訳ではないようです。

年齢、既婚未婚に関して

年齢に関しては高校生以上、16歳からというところが多く、大晦日〜元旦にかけての深夜は18歳以上というところが多いようです。そのため高校生の応募を受け付けていない神社もあります。

また上限については神社によって異なりますが、25歳〜30歳くらいであることが多いようです。この場合も未婚という条件は適用されますので、結婚することにより退職となります。

男性の募集もある

女性だけではなく、男性の助勤を募集している神社もあります。

もちろん女性の応募ほど希望は多くないので、募集人数は限られてきますが、それにより応募のチャンスも決して低くはありませんので興味のある方は神社の募集を探してみてください。

男性助勤は女性の巫女装束とは異なり、袴の色で区別されることが多いようです。薄い青や白、黒など神社によって様々な色の袴があります。

巫女バイトについての体験談をまとめたサイトがありますので参考にしてみてください。

「巫女バイト体験談」

【まとめ】巫女と処女の関係性について

巫女と処女の関係性について

  • 古代の日本では、皇族の未婚の娘が「斎王(さいおう)」として神に仕えていた。これが巫女の始まりでもある。
  • 「斎王」は神の妻で生涯、精進潔斎して結婚することはできなかった。そのため巫女は未婚の女性に限られていた。
  • 当時の風潮で未婚=処女という概念がありそれにより巫女=処女という考えが広まった。
  • 現代の巫女は、処女が条件ではない。

巫女の始まりの歴史やその後の継承段階で、様々な思想が結びつき、巫女=処女という定説が広まっていますが、実際の条件としては「未婚」となっているようです。当時の考え方では当然の結びつきだったのかもしれません。

その条件ゆえに、年齢的な制限の多い、巫女という職業ですが、女性ならその厳かで華麗な装束に憧れを持つ人も多いと思います。バイトとしても人気がありますので、求人など見つけることができたならチャレンジしてみてはいかがでしょうか。特別な職業体験ができると思います。