2020/07/11

モンゴルのシャーマンを徹底解説!白役と黒役の違いとは?

モンゴル シャーマン

モンゴルのシャーマンって、どんな感じなのでしょう。あまりイメージが湧きませんよね?

「白役」と「黒役」が分かれているって、知っていますか?

今日は普段目にすることの少ない、モンゴルのシャーマンについて詳しく紹介していきます

  • ボー(黒)、バリアーシ(白)の役目
  • 儀式はどのようにおこなわれるか?

動画も見ながら、順を追ってみていきます。

記事を読み終えたら、モンゴルのシャーマンについて、具体的なイメージが持てるようになっていると思います。

 

日本のシャーマン「巫女」による舞はこちら

モンゴルのシャーマンについて

まずは、モンゴルのシャーマンについてまとめます。

モンゴルのシャーマン「ボー(黒)」と「バリアーシ(白)」

モンゴルの中の、ブリヤート人と呼ばれる少数民族には、ボー(黒)とバリアーシ(白)、2つの属性を持つシャーマニズムが存在します。

 

帝政ロシアの古い資料によると

 【ボー(黒)】

  • 悪霊に祈ることで災厄をもたらす

 【バリアーシ(白)】

  •  善き神を拝み人々の幸せを祈る役割

があったとされています。

白魔術と、黒魔術のような感じですね。

 

ただ、現在では、ボー(黒)とバリアーシ(白)の役割は、変わってきています。


「ボー(黒)」、バリアーシ(白)」の役目

 昔は

  • ボー(黒)は悪霊に祈り災厄をもたらす
  • バリアーシ(白)は善き神に祈る

役割とされていましたが、現在では以下のように変わってきています。

 

 【ボー(黒)】

  •  オンゴ(精霊)・オグ(先祖霊)を降霊させ、託宣をおこなうシャーマン

 

 【バリアーシ(白)】

  •  仏教の神に祈り、呪術的なマッサージや骨接ぎ治療を行うシャーマン

 

昔とは随分違う役割ですね。

いわゆる私たちがシャーマンと聞いて思い浮かべるのは、ボー(黒)でしょうか。ただし、この白と黒を兼任するシャーマンもいて、白=善・仏教、黒=純粋なシャーマンと単純に切り分けることは出来ないのが現状のようです。

 

整理すると、

  • ボー(黒)

悪霊に祈り災厄をもたらす → 精霊・先祖霊を降霊させ、託宣を行う

  • バリアーシ(白)

善き神に祈る → 仏教、呪術的なマッサージや骨接ぎを行う

と、時代の変化とともに、その役割も変容しています。

 

次は、儀式の様子についてみていきます。

儀式はどのように行われるの?

それでは、モンゴルのシャーマンは、どのように儀式を行うのでしょうか?

順を追って、みていきましょう。

儀式に必要「オグ」

シャーマンになるときに、守護霊というべき「オグ(先祖霊)」が決定されます。

どうやってオグ(先祖霊)が決まるかというと

  • シャーマンの師匠が降霊させたオンゴ(精霊)に、自分のオグ(先祖霊)を特定してもらう
  • そのオグ(先祖霊)を降霊できるようにする

という手順を踏みます。

オグ(先祖霊)には、父方の系譜という意味もあり、オグは男性であることがほとんどです。

この儀式によって、自分の出自を知ることは、シャーマンにとって重要な要素です。そのため、オグを知らないということは、恥ずべきこととされています。一歩踏み込むと、蔑視の対象となる場合もあります。

 

次は、具体的に儀式の様子をみていきましょう。

トランス状態に必須な「太鼓の音」

動画は、シャーマンが儀式を行う様子です。

儀式の間、始終太鼓が打ち鳴らされています。この太鼓の音が、トランス状態を引き起こすのに大変重要な役割を果たしています。シャーマンはトランス状態に入ると体の中を風が吹き抜け、意識が拡大し、時空を超えた「明晰な知恵」を得ることができるといいます。

超自然的存在との交信

太鼓をたたきながら、詩を口ずさみながらトランス状態に入ることで、彼らは、超自然的存在(先祖の魂、神霊、精霊、死霊など)と交信します。

厳しい環境に生きる遊牧民・狩猟民たちは、人間が自然界と対等ではないことを熟知しています。その中で、人間側にもっとも近い特別な存在のシャーマンに限り、霊と直接交渉することが許されています。そのため、彼らは”土地の守り神”として大切にされます。死後も、それぞれに「木」が選ばれ、そこに衣装や太鼓などの儀礼道具一式が保管されます。

衣装は?

「デール」と呼ばれる独特の衣装を身に着けます。動画にもあるように、とても色彩豊かです。デールとは、モンゴルの民族衣装ですが、シャーマンのデールは少し違います。悪いことから身を守るために、鳥の羽や宝石などがついていたりします。又、民族衣装にはある帯がなかったりもします。

儀式の種類

シャーマンの儀式の種類に、「オボー祭り」があります。オボー祭りでは、神と交信するため、オボーと呼ばれる木や石を組み合わせてつくられた塔が山頂や峠に立てられます。

オボーは「天と地をつなぐ柱」を意味しています。神に様々な供物が捧げられ、人々はここで無病息災、様々な悩み事を祈るのです。

 

シャーマンの儀式について、具体的なイメージが出来てきましたね。

最後に、これまでの内容をまとめていきます。

【まとめ】モンゴルのシャーマンについて

これまで説明してきたことを、まとめます。

  • モンゴルのシャーマンは、「ボー(黒)」と「バリアーシ(白)」の2種類
  • 時代の変容で役割も変化した

【ボー(黒)の役目】

 悪霊に祈り災厄をもたらす →精霊・先祖霊を降霊させ、託宣を行う

【バリアーシ(白)の役目】

 善き神に祈る →仏教、呪術的なマッサージや骨接ぎを行う

  • 儀式には「オグ(先祖霊)」が必要
  • トランス状態の導入に「太鼓の音」が使われる
  • 超自然的存在(霊魂等)と交信する
  • 「デール」と呼ばれる衣装を着ている
  • 「オボーの祭り」という儀式がある

モンゴルのシャーマンのカラフルな衣装に、鳴り響く太鼓。こちらまで引き込まれていきそうでしたね。

異国情緒あふれる儀式でしたが、人が何かに悩み、救いを求める気持ちは、世界各地で共通しているのでしょう。

 

日本のシャーマン「巫女」による舞はこちら