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口寄せ巫女とは?どんな憑依巫女がいて、どんな口寄せ法があるのか

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「口寄せ」って聞いたことありますか?「テレビでイタコとか見たことあるな」という感じでしょうか。

今回は、「口寄せ」とは具体的にどのようなことか。その口寄せを行う巫女について深堀りしたいと思います。

この記事を読み終わるころには、なんとなく言葉を知っていただけの「口寄せ」やそれを行う巫女について、具体的なイメージが持てると思います。

 

元巫女による創作舞踊はこちら

口寄せと巫女の関係性

それではまず、

  • 口寄せとは何か

整理し、

  • 口寄せを行う様々な巫女の紹介

をします。

口寄せとは?

口寄せ(くちよせ)とは、霊を自分に降霊(憑依)させて、霊の代わりにその意志などを語ることができるとされる術のことです。または、それを行う人そのものを口寄せと呼ぶこともあります。

口寄せが語る言葉は、「憑依した誰か」ということになります。その相手は、すでに亡くなった方であったり、神様の言葉であったりします。

日本でこの口寄せを行う存在というのは、いわゆる巫女になります。

日本の口寄せについて、見ていきましょう。

日本の口寄せ

いわゆる巫女というと

  • 神社で神道の儀式を補助する神社巫女
  • 口寄せを行う憑依巫女

に大きく分かれます。

神社等で私たちが見かける一般的な巫女が、神社巫女。ここで取り上げている口寄せを行う巫女が、憑依巫女です。

日本では、この憑依巫女は、明治初期に、近代化・国家統制の流れの中で人の心を惑わすとして弾圧されました。しかし信仰は深く、憑依(霊を自分に降ろす)と託宣(のりうつった人の意志を告げること)を行う口寄せの巫女は今なお存在し、活動しています。

有名なものは

  • 東北を中心とした「カミサマ」「イタコ」
  • 沖縄の「ユタ」「ノロ」

になります。

例として、この中の一つ「イタコ」について掘り下げてみていきましょう。

イタコとは?

イタコは、日本の北東北(東北地方の北部)で口寄せを行う巫女です。盲目の神姥(かみうば)という特徴があります。日本3大霊場の一つである恐山は、死者の集まる山と言われており、その寺の境内でイタコが口寄せを行うことでも有名です。

「恐山のイタコ」のイメージが強いですが、本来のイタコの仕事は、自分の担当地域を巡り歩き、

  • 農作物の予想
  • 住民の健康や運勢を占う

など、地元密着のアドバイスを行う仕事であったといいます。

今よりも人々に身近な存在であったと想像できますね。

この動画の最初の方に、イタコが実際に口寄せを行うシーンが出てきます。参考までにご紹介しますね。

このような地元密着の口寄せ系巫女とはまた違う「梓巫女」と呼ばれる巫女もいます。

梓巫女とは?

梓巫女(あずさみこ)とは、特定の神社に属せずに各地を渡り歩いて託宣や呪術を行っていた巫女のことです。他にも「市子」等様々な呼称があったとされます。主に東国を中心に活躍していました。

梓巫女は

  1. 梓弓を鳴らしながら神降ろしの呪文を唱え
  2. 神懸かりを行って生霊や死霊を呼び出し(口寄)
  3. その霊に仮託して託宣や呪術を行う(神語り)

のが特徴です。

津軽地方のイタコには弓の弦を棒で叩いて口寄せを行う者がおり、梓巫女と同系列であるとされています。

 

さて、ここで一度「憑依巫女」について整理します。

憑依巫女とは?

憑依巫女とは、降神を行い、自ら神霊などに憑依されて託宣や占いを行う巫女です。これまでみてきたイタコや梓巫女も憑依巫女にあたります。トランス状態に入り神霊・死霊・生霊を自分の身に降ろして、口寄せを行います。

これを「憑依(ポゼッション)」と呼びます。

憑依の最中には、人格や声色などが変わり、本来であればその巫女が知りようもない個人的なことまで話だしたりします。

 

また、梓巫女のような巫女のことを「歩き巫女」といいます。

歩き巫女とは?

歩き巫女(あるきみこ)は、かつて日本に多く存在した巫女の一形態です。特定の神社に所属せず、全国各地を遍歴し祈祷・託宣・勧進などを行うことによって生計を立てていた巫女です。旅芸人や遊女を兼ねていた歩き巫女も存在しました。そのため、遊女の別名である白湯文字、旅女郎という呼称でも表現されます。

鳴弦によって託宣を行う梓巫女も、歩き巫女の一種と言われています。総じて神を携帯し、各地を渡り歩き竈拂ひ(かまどはらい=民家のかまどを清め、きれいにすること)や口寄せを行ったと言われています。

 

最後に、海外の口寄せについてみてみましょう。

海外の口寄せ

それでは、海外での口寄せに関する逸話をご紹介します。

イスラエル王国(紀元前11世紀から紀元前8世紀まで古代イスラエルに存在したユダヤ人の国家)の初代国王サウルは、ペリシテ軍(イスラエル王国の敵)がシュネムに陣を取った際に、恐れて主(神)に伺いをたてましたが答えを得られませんでした。

そのため、自分で断ち滅ぼしたはずの口寄せに頼ったと言われます。すると、亡き士師サムエル(旧約聖書に登場するユダヤの預言者)が現れましたが「主(神)はイスラエルの軍勢をペリシテびとの手に渡される」と言い渡したと言います。

国内外問わず、このように人は不安になる時、誰かの助言を得たいと思うのでしょう。

口寄せの種類

ところで、一口に「口寄せ」といっても、いくつかの方法があります。

口寄せの種類は、以下の4つに分かれます。

  • 神口(かみくち)
  • 仏口(ほとけぐち)
  • 生口(いきくち)
  • 死口(しにくち)

です。それぞれ、次のような違いがあります。

 

  • 神口(かみくち)

神霊にお伺いを立てるもの

  • 仏口(ほとけくち)

死者の言葉を伝えるもの

  • 生口(いきくち)

生きている者や葬儀の終わってない死者に対してのもの

  • 死口(しにくち)

葬儀が終わった死者に対してのもの

 

誰の言葉を伝えるか、どのタイミングで伝えるのかで違っています。

 

それでは、最後にこれまでの内容を整理しましょう。

【まとめ】口寄せと巫女について

これまでの内容についてまとめます。まず

  • 口寄せとは何か?
  • 口寄せを行う国内の巫女
  • 海外の口寄せ

についてみていきました。

続いて、口寄せには4種類

  • 神口(かみくち)
  • 仏口(ほとけぐち)
  • 生口(いきくち)
  • 死口(しにくち)

がありました。

亡くなった方の思いを聞きたい、誰かの助言を受けたい。人々の中にあるそういった根本的な思いが、この口寄せという行為ができた理由なのかもしれません。

 

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