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神社の掃除は「いつ」「誰が」「どのように」しているのか

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神道の世界には「斎戒(さいかい)」という言葉があります。これは祭祀者が祭祀を行うにふさわしい資格を得るために、穢れを払い、その身を清浄することです。

神様と関わるためには、清い状態をつくることが重要なのです。

では、神様をお呼びする神社はどうでしょう。有名な大きい神社はいつ参拝しても綺麗に清掃されています。

この「神社の清掃」は、「いつ」、「誰が」、「どのように」行っているのでしょうか。そんな疑問にお答えします。

 

元巫女による創作舞はこちら

神社の掃除を「どのように」行うのか

まずは、「どのように」にお答えします。

神社のどこを掃除するのかによって、掃除の仕方が変わってきます。

お宮、お社の内部の掃除

お宮やお社の内部は「雑巾」を使った拭き掃除が行われます。神様が祀られている重要な場所ですので、特に気をつけて、時間をかけて清められます。

神殿の掃除

神殿は開放的な構造の神社が多くあります。汚れが内部まで侵入することが多いので、雨の多い時期には雨水が軒下にある彫刻などにたまらないように、しっかり拭き掃除が行われます。

境内の掃除

境内の掃除は「竹箒と熊手」を使い行われます。

お宮の前から始まり、そこから参道を鳥居に向かって掃き出していきます。参道は神様の通り道でもありますので、時間的に厳しい場合でもお宮前と参道は重点的に行われます。

また、神社には樹木が多いと思いますが、これは「木々が生き生きとしている森や山には神様の力がみなぎる」と言われているからです。お池や石段には濡れた落ち葉などがたまりすぎないように気を配られます。

手水舎の掃除

手水舎も同様で、ゴミや落ち葉がたまりやすいのでしっかり掃除していきます。集めたゴミはビニール袋に「自然物とそうでない物」に分類されます。

年末の煤払い(すすはらい)

年末の大掃除の一つに「煤払い」があります。こちらは通常、笹が使用され、天井や欄干にたまった埃を払います。

掃除の手順

掃除はお宮の前から始まります。始める前にはお宮に一礼し、ほうきでの掃き掃除を行い清めます。そこから参道を鳥居に向かって掃き出していく流れになります。その後、お宮やお社、と内部の掃除に入っていくのです。

自然物は八百万の神の一部

神道ではあらゆる自然物に神が宿っているという「八百万の神」という信仰がありますので、落ち葉であっても自然物となり、八百万の神の一部と考えられます。そのまま捨てられることはなく、境内や、駐車場で乾かし、敬意をもって「焼却」されます。

近年では消防法などの規制で焼却が難しい神社もあり、ゴミとして出される場合もあるようです。

神社の掃除は「いつ」「誰が」行うのか

続いて、「いつ」「誰が」にお答えします。

神主さんの1日の始まりは掃除から

神社に奉仕する神主さんの仕事はこの掃除から始まります。通常の会社やお店と変わらず、参拝者(お店でいうお客様)をお迎えするという意味でもこれは大事なことでしょう。神社ともなれば、神様をもお迎えしているので掃除はさらに大事なのでしょう。綺麗に掃除された神社は神様のエネルギーも大きく、神の御加護も得られやすいと考えてもいいと思います。

お掃除も巫女の大切な仕事の一つ

これは神社に奉仕する巫女も同じです。巫女というと授与所でお守りやお札を販売しているところや、祭祀で舞を舞っているイメージが強いと思いますが、巫女の仕事はお掃除から始まっています。私たちが気持ちよく神社を参拝できているのは神主さんや巫女さんたちが丁寧に掃除をしてくれているからなのです。神様だけでなく、このような神職の方々にもしっかり感謝の気持ちを持って参拝しましょう。

もし神社の汚れを見つけたらどうする?

現在では、80000もの神社が祀られており、中には神職が常駐していない神社もあります。もちろんそうなると掃除の行き届かない神社も出てきてしまいます。もし、そういった神社があったら、ぜひ、「チャンス」と思い、お掃除してみましょう。きっと神様があなたを待っていたのでしょう。ゴミ拾いや、ちょっとした掃き掃除、埃をそっと払うだけでもいいと思います。お掃除は徳を積むことにつながります。

しかし、神様に媚びたり、恩を着せるような気持ちで行ってはいけません。ここで大事なことは、「感謝の気持ちを持つ」「神様に期待しない」ことなのです。「掃除をする」、「神様に感謝の気持ちを伝える」ことにより、神様の力は大きくなり、それにより我々に大きな御加護が与えられるのです。

 

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【まとめ】神社の掃除について

  • 神社の掃除は神社にいる、神主さんや、巫女さん達が行っている。
  • 神社での奉仕は朝の掃除から始まる。
  • 掃除はお宮に一礼をし、お宮前から参道を鳥居に向かって掃き出していく。
  • 落ち葉などの自然物は神が宿っているので、そうでないゴミとは分類され、敬意をもって焼却される。
  • 清掃されていない神社を目にしたら、神の御加護に感謝しつつ、率先して掃除するべき。
  • 綺麗な神社は神のエネルギーが高まる。

私たちが気持ちよく神社を参拝できているのも、神社で奉仕されている神主さんや巫女さんたちのおかげです。神主さん、巫女さんに敬意をもってできるだけ汚さずに参拝することが望ましいでしょう。

そして自分の周りにある神社をもう一度見てください。きっと神様はあなたの行いを見ていることでしょう。