神社での祈り方!正しい9ステップと注意すべきマナー違反4点
神社へ行くと、皆さんほとんどの方が参拝をされて行くと思います。お賽銭を入れ、手を合わせて何かお願いごとをしたりするのでしょうか。神社とは神様のいらっしゃる場所で、その行為は当然のことだと思います。
ですが、神社での正しい祈り方を知らない方も多くいるのではないでしょうか。
ここでは、神社での正しい祈りの方法と守るべきマナーについてご紹介していきます。
祈りの意味を理解し、マナーを守ることで皆さんの言葉はきっと神様へ届くことでしょう。
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神社の正しい祈り方
基本の「心得」
祈りとは神様への感謝の気持ちを伝えることです。
「神は人の敬(うやまい)によりて威を増し 人は神の徳によりて運を添う」
という言葉があります。
これは、「神様は人々の感謝の気持ちによってその力を強め、それにより人々は神様から多くの恵を頂ける」という意味です。
お祈りの際に最も大事なのは、神様への感謝の気持ちを持ち、それを伝えることなのです。自分の要望を押し付ける「お願い」はやめましょう。
「正装」するのが望ましい
神様のいる神社に行くのですから、身だしなみにも気をつけましょう。できるだけラフな格好は避けてください。
人との間でも上司や取引先、お客様と会う場合は身だしなみに気をつけるはずです。神様であればなおのこと気をつけるべきでしょう。
できることなら正装での参拝を心がけてください。
鳥居のくぐり方
鳥居は神様のいる「神域」と人間の住む「俗界」を区別する結界です。神社に入る際は必ずこの鳥居をくぐって入りましょう。
また、鳥居より先は神様のいる神聖な場所になりますのでくぐる前に一礼を忘れずに行ってください。
くぐる際は左右の端を歩き、右側を歩いた場合は右足から、左側を歩く場合は左足から入りましょう。
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参道の歩き方
参道の真ん中は「正中」といい、神様のエネルギーが通るところで神様の通り道でもあります。
参道を通る際は端を歩くようにしてください。
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手水舎での清め方
参拝前には手水舎で手と口を清めましょう。
これは神様の前に立つ前に、自分についている「罪・穢れ」を祓うためです。まず自分の体を清めて、神様への敬意を払うことを忘れずに行いましょう。
清め方の順番は、
- 右手に柄杓を持ち、左手を洗う
- 左手に柄杓を持ち、右手を洗う
- もう一度右手で柄杓を持ち、左手に水をため、口を洗う
- 最後に残った水を柄杓を立てて、柄杓の柄に流す
となっています。
ここで注意したいのは、口を洗う際に直接柄杓に口をつけないことです。衛生的にも良くありませんが、次に使う人への配慮も必要です。神様は皆さんの行動をしっかり見ていらっしゃいます。
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「お賽銭」の意味と納め方
お賽銭の始まりは、お米を白い紙で包んだ「おひねり」を御神前にお供えしていたものです。これは神様からの自然の恵みをいただいた感謝の気持ちを表したものになり、その後、貨幣が一般的に使われるようになり、今の賽銭箱が設置されたのです。
お米から貨幣に変わってはいるものの、その意味は神様への感謝の気持ちを表すもので同じ意味を持っています。
また、お賽銭にはお供えする種類や枚数、金額に縁担ぎの意味があります。
よく、「お賽銭には5円玉」という言葉を聞きますが、5円玉には「ご縁(5円)がありますように」という意味があります。こちらは枚数をまとめてお供えすることでさらに強い縁担ぎの意味になります。
次に10円玉ですが、こちらは遠縁(10円)とも読めることから縁が遠ざかるという意味になるため、お賽銭としては相応しくありません。これは10円という金額が悪いのではなく、10円玉を使用することが縁起上よくないということですので、5円玉二枚で10円などは問題ありません。
500円玉もこれ以上に大きい効果がないということから縁起がよくないとされています。お賽銭としては避けたほうが良いでしょう。
お札(1000円以上)をお供えする場合は賽銭袋を使用しましょう。白無地の封筒に「御初穂料」と書き、下に氏名、裏に住所を記入、紙幣は新札を使用します。
縁起のよい金額を一部まとめておきますので参考にしてください。
- 11円・21円・31円
割り切れない数字は夫婦円満や恋愛面で縁起がよいとされています。
- 25円
二重にご縁がありますようにという意味になり縁起が良いとされます。ただし、5円が5枚は縁起がよくないとされていますので注意してください。
- 29円
福(29)がありますようにとの意味になります。
- 115円
いいご縁(115円)との意味になります。
- 485円
四方八方からご縁がありますようにとの意味になります。
- 1万円
万円は逆読みで円満となることから全て円満におさまるとの意味になります。
ただし、あくまでも縁起担ぎなだけでこれ以外がダメというわけではありません。大事なことは神様に対する感謝の気持ちを込めてお供えするということです。
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神前での「祈り方」
お賽銭は静かにそっとお賽銭箱に入れるようにしましょう。よく、お賽銭を投げ入れている人をいますが、これは神様に失礼です。お賽銭はあくまでお供物ですので、神様へ差し出すように入れましょう。
次に鈴を鳴らし、2礼2拍手して手を合わせてお祈りに入ります。まずは自分が何者であるか伝えます。神様へ「名前」と「住所」を伝えた後、感謝の祈りを行います。
祈りはあくまで神様への感謝の気持ちを伝えるものです。私欲による願い事はしてはいけません。将来的な、「〜できますように」や、「〜なりますように」などの一方的なお願いだけでは神様は聞き入れていただけません。先ずは自分の行動への「誓い」を神様に伝えましょう。自分の努力を神様に見守っていただくといった祈り方が正しい祈りなのです。
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「初詣は氏神様」へのお祈りを
年初めの「初詣」は先ず、自分の住んでいる地域をお守りしていただいている「氏神様」へご挨拶をしましょう。
有名神社にお参りに行く方も多いようですが、氏神様へ旧年中の感謝を伝えるようにしましょう。
氏神様は自分の家から一番近い神社とは限らないので、わからない方は各都道府県の神社庁へ問い合わせてください。
おみくじの正しい引き方
おみくじは占いのひとつと考えている方もいるかと思いますが、おみくじは神様からのメッセージです。
吉凶は重要ではなく、そこに書かれている内容が重要なのです。もちろん凶であっても引き直しなどはしないでください。
おみくじを引く際は事前に神様へお知らせしましょう。参拝の際に神様へおみくじを引くことをお伝えし、「お言葉をください」とお願いするのです。それにより神様から的確なアドバイスが頂けるでしょう。
引いたおみくじは神社に結んで帰らず持ち帰り、身につけておきましょう。手帳や財布などにしまっておき、いつでも神様よりいただいたお言葉を見返せるようにすることが大事なのです。
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ここからはその他、神社での参拝の際に守っておくべきマナーについてご紹介します。神様に失礼のないようにしっかり覚えておきましょう。
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神社でのマナー違反に気をつけましょう
大きな声でのおしゃべり
神社は神様へお祈りをする場所です。お祈りは1人ですることが望ましいのですが、複数人で行く場合でもおしゃべりは控えましょう。
神社は内観する場所ですので心を穏やかにし、神様の存在を意識するようにしてください。
御神木を傷つけたり、ゴミを捨てない
神社は神聖な場所ですのでゴミを捨てたりしないように。また、神社内の石や葉っぱを持ち帰る行為もマナー違反です。御神木の幹を剥がして持って帰ったとしてもそのような行為をした人に御神木の御加護は得られないでしょう。
また、おみくじを木の幹にくくりつけたりもしないでください。これも自然を傷つけた行為となり聖地を汚すことにつながります。
撮影するときのマナー
神社で記念写真の撮影をしている方もいますが、いきなり撮るのは神様に対して失礼になります。
先ずは参拝してから、お祈りのときに神様へ「写真を撮らせてください」とお願いしてからにしましょう。
また撮影の際は近接で正面から撮るのではなく、斜めや少し遠くからの撮影がマナーです。
ペットは基本NG
神社は観光地や、公園とは違います。神様のいる神聖な場所です。排尿で汚すことを避けるためペットを連れての参拝は控えましょう。
こちらは神社によって犬に関する神社や、ペットOKの神社もあり、一概には言えませんが、神様が祀られている清浄な場所を汚す恐れのある場合の配慮は必要です。
参拝方法について説明動画をご紹介しておきます。こちらも見てみてください。
【まとめ】神社の祈り方について
<神社の正しい祈り方>
基本の心得
- お祈りは神様へ感謝の気持ちを伝えること。
- 私欲のためのお願いはしない。
正装するのが望ましい
- 参拝は神前に立つこと。ラフな格好は避ける。
- できるだけ正装し、失礼のないように。
鳥居のくぐり方
- 鳥居は神域と俗界の結界。必ずくぐって神社に入る。
- くぐる前に1礼を忘れない。
- 端を歩き、右端を通る場合は右足、左端を通る場合は左足から入る。
参道の歩き方
- 道の真ん中(正中)は神様の通り道であるため避けて、端を通行する。
手水舎での清め方
- 参拝前に自分についた「罪・穢れ」を祓うために手と口を清める。
- 柄杓を使い、左手・右手・口・柄杓の順で洗う
- 柄杓に直接口をつけるのはマナー違反
お賽銭の意味と納め方
- お賽銭の始まりはお米を白い紙で包んだ「おひねり」
- その意味は神様へ感謝の気持ちを伝えるお供物
- 10円硬貨と500円硬貨は縁起担ぎの理由でなるべく避ける。
- 1000円以上の場合は賽銭袋に入れてお供えする。
神前での祈り方
- お賽銭はそっと静かにお賽銭箱に入れる。投げ入れたりはしない。
- 鈴を鳴らし、2礼2拍手のあと手を合わせてお祈りをする。その際自分の名前、住所を伝える。
- お祈りの内容は神様への感謝の気持ち、またはこれからの自分の行動に対する誓いを伝え、私欲の願い事はしない。
初詣は氏神様へのお祈りを
- 年初めの初詣は自分の家の氏神様へ旧年中の感謝と新年のご挨拶から行う。
- 自分の家の氏神様がわからない場合は神社庁で教えてもらえる。
おみくじの正しいひき方
- おみくじは神様からのメッセージ。吉凶ではなく内容を読む。引き直しはしない。
- おみくじを引く場合は参拝の際に神様へ伝え、お言葉を頂けるようお願いする。
- おみくじは神社に結んで帰らず持ち帰る。いつでも内容が見れるように持ち歩くことが望ましい。
<神社でのマナー違反に気をつけましょう>
大きな声でのおしゃべり
- 参拝はなるべく1人で行く。
- 複数人で行く場合でもおしゃべりは控え、静かに内覧する。
御神木を傷つけたり、ゴミを捨てない
- ゴミを捨てない。また、神社内の石や、葉っぱなどは持ち帰らない。
- おみくじを木に結ぶことも自然を傷つける行為に当たるのでしない。
撮影するときのマナー
- 写真を撮る場合は参拝時に神様へ許しをいただく。
- 近接、正面からの撮影は避けて、斜めからや少し距離をあけ遠くから撮影する。
ペットは基本NG
- 排尿などで神聖な場所を汚すことになるペットを連れての参拝は避ける。
- 神社によって決まりがあるのでペット連れでの参拝が可能か、事前に確認する。
普段、何気なく行っている神社での参拝ですが、神様と触れ合うための儀式なのですから、それなりの礼儀やマナーはあるのです。
マナーを守れないような人の言葉を神様は聞き入れてはくれないでしょう。神様はあなたの行動を見ているはずです。
ただし、どんなに形式上の作法、また行動へのマナーを守っていたとしても心がなくてはその祈りに意味はありません。先ずは神様への感謝の心を持つことが一番重要なことなのです。
しっかり気持ちを込め、マナーを守ってお祈りすれば、その心はきっと神様へ届くと思いますよ。
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