BLOG

神社の御神木について!正しい接し方、神様が宿る8本の御神木

御神木 神社

神社は神道という日本古来の宗教の祭祀を行う施設ですが、森林や山の中にあることがよく見受けられます。その木々の中には「御神木(ごしんぼく)」として祀られている木があることはご存知でしょうか。

ここでは

  • 御神木とは何か?
  • 御神木への接し方
  • 代表的な8本の御神木

を詳しくご紹介していきます。

この記事を読ことで、いつもの神社での参拝のときに、新しい発見があると思います。

 

元巫女による創作舞はこちら

神社の御神木について

御神木とは?

「神道(しんとう)」は自然信仰で「八百万の神」と言われる「自然のものには全てに神が宿る」という教えです。神社はこの神道において、祭祀を行う施設になります。

御神木はこの考えにおける「神籬(ひもろぎ)」としての木や森を指し、一般的に神社の境内やその周りを囲む鎮守の森にある御神体とされる木を表します。

また、例外的には神社に関係のある人物が寄贈した記念樹や、神社を造営に使われた材木を神木扱いする場合もあります。

全ての木々が御神木となり得る

前述の内容から、神道の教えの中では「すべての木々は御神木となり得る」と言えますが、特に樹齢を重ねた木々や、神社に立つ木々、神聖視されている場所に立つ木々などは神の依代とされ重要視されています。

主にナギやモチノキ、スギなどが多く、信仰の対象となっています。

御神木に近づく前に知っておきたいこと

御神木は神の宿る木ですので、御神木に近づく前には気を付けないといけないことがいくつかあります。ここではそんな注意点をまとめていきます。

先ず、御神木に近づく前に「足元を確認」しましょう。ここに根があるなら踏んではいけません。踏まなければ近づけないのであれば触れることは諦めましょう。

また、御神木に近づく前に「心と体の穢れ」は清めておきましょう。これは参道を歩くことや、手水舎でのお清めなどです。神様に近づく前に心を穏やかに保ち、安らかな状態で神様と対話できるようにする為です。

御神木の幹に触れる場合は「軽く手をあてる」か、「撫でる」程度にすることです。皮をむしったり、枝を折ったりしてはいけません。根や樹皮が傷つくとそこから細菌が入り、腐食がすすんでしまうことになります。また、御神木は神社の所有財産でもあるので、法律でも「器物損壊罪」で罰せられてしまいます。

御神木との接し方

御神木と接するということは、神様との対話ということです。神社の本殿への参拝と同様に、しっかり神様への畏敬の念と感謝を伝えることが大事です。

御神木の前に立ったらその気を感じてみましょう。心を落ち着けて、深呼吸し、自然のエネルギーを感じるのです。

そして、木を見上げてみましょう。そのエネルギーは天から降り注ぐように感じることができるでしょう。そのまま根まで視線を下げてみます。根は生命の源であり、命を一番感じることができる場所です。ここから御神木の意思を感じ取れるはずです。

それから触れることができる場合は、「触らせて下さい」と神様にお願いをしてから触れるようにしましょう。触れることができない場合は手をかざすだけでも十分です。これにより神様との対話ができることでしょう。

お言葉をいただくことができたら、最後にはしっかり感謝の気持ちを伝えましょう。この感謝の気持ちが神様の力を大きくすることができます。この相互の関係ができていることが大事なのです。

ここからは全国にある、有名な御神木についてご紹介していきます。

神様が宿るパワースポットの御神木8選

<北海道 美瑛町>森の神様

北海道の美瑛町には「森の神様」と呼ばれている御神木があります。樹齢900年という大きな桂の木で、3本の木がひとつとなり、その幹まわりは11メートルに達します。この「森の神様」の周りには白樺の木がまるで守っているかのようにぐるりと囲むようにして生えています。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Miki(@miki.f.130)がシェアした投稿

<青森県 深浦町>北金ヶ沢のイチョウ

青森県深浦町には、国の天然記念物にも指定されている日本一大きなイチョウの木があります。樹齢はなんと1000年を超え、幹まわりは22メートル、樹高は30メートルとなり、日本の全ての木の中でも3番目に大きな木となっています。

この木がある場所は飛鳥時代の将軍である「安倍比羅夫(あべのひらふ)」が創建した神社があった場所で、神社の境内に生えていたとされています。

このイチョウには「気根(きこん)」と呼ばれる幹や枝から伸びる根がたくさん垂れ下がっており、この姿から「垂乳根(たらちね)のイチョウ」とも呼ばれ、母乳が出ない母親が願掛けに訪れ、ご利益を得たという伝説も語られています。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

じゃぱたびっくす(@japatabix)がシェアした投稿

 

<新潟県 阿賀町>将軍杉

新潟県阿賀町の平等寺の境内にある大杉で、「将軍杉」と呼ばれています。幹まわりは19メートル、樹高が40メートル、樹齢はなんと1400年を超えると言われています。日本でも有数の巨木です。

名前の「将軍杉」は平安中期の武将「平維茂(たいらのこれもち)」がこの場所で晩年を過ごし、この杉の近くに墓があることから、会津藩初代藩主「保科正之(ほしなまさゆき)」が名付けたと言われています。

昭和36年に新潟県を襲った台風により、真ん中の幹が折れてしまいましたがその大きさは圧巻で一見の価値はあると思います。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

まー(@hita_masayuki)がシェアした投稿

 

<三重県 伊勢市>伊勢神宮の御神木

伊勢神宮は神社の中でも別格の社格を持つ神社です。正式名称は「神宮」となり、元々神宮を名乗れるのはこの伊勢神宮のみでした。ここは内宮、外宮に分かれており、それぞれ「大神宮」の社格を持つ「皇大神宮」と「豊受大神宮」が祀られています。

この伊勢神宮には特別に指定された御神木はなく、この伊勢神宮にある全ての木々に神々が宿っているとされ、伊勢の神域である森林は5500ヘクタールに及びます。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

❤︎(@kieo31o)がシェアした投稿

 

<島根県 松江市>志多備神社のスダジイ

島根県松江市にある志多備神社には日本一大きなシイの木があります。幹まわりは11メートル、樹高は20メートルに達します。このシイの木は樹齢数百年は経過しており、「志多備のスダジイ」と呼ばれ、御神木として祀られています。この木の大きさもさることながら、その大きく広がった幹は躍動感すら感じられ、漫画家の水木しげるさんがこの木を見て、「ヤマタノオロチ」と表現したお話が有名です。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

asuka(@asuka653)がシェアした投稿

 

<愛媛県 今治市>大山祇神社の御神木

愛媛県今治市の大山祇神社は天照大御神の兄神である「大山積大神」が祀られています。この神は戦いの神とされ、平安時代から朝廷の守護を受けてきた神社です。名だたる武将たちがここに武具を奉納したため、今でも国宝級の甲冑が残されています。

ここには3本の御神木が存在しています。

ひとつめは「乎千命御手植の楠(おちのみことおてうえのくすのき)」です。樹齢2600年と言われ、幹まわりは11メートル、樹高は15メートルとなり、神社の境内の中央に位置し、この神社のシンボルツリーとなっています。「息を止めて3周すると願いが叶う」、「一緒に写真を撮ると長生きできる」と言った言い伝えもあります。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

佳輝(@yoshiteru.m)がシェアした投稿

 

二つ目が「能因法師雨乞いの楠」。幹まわり17メートル、樹齢は3000年を超える日本最古の楠と言われています。現在は枯死してしまっています。能因法師がこの木の前で雨乞いをしたところ、三日三晩雨が降り続いたという伝説からこの名前がついたのです。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

イワハシ(@2015iwahashi)がシェアした投稿

 

三つ目は「生樹の御門(いききのごもん)」。正確な樹齢は分からず、推定で3000年と言われています。境内奥深くにあり、木の根元が大きな空洞になっており、天然の門のように見えます。この木の門の奥に奥の院に続く参道へとつながっています。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

なお(@naozirou0304)がシェアした投稿

 

<鹿児島県 屋久島町>縄文杉

鹿児島県屋久島は杉の産地で「屋久杉」という名前を聞いたことがあると思いますが、その中で有名なのが「縄文杉」です。幹まわり16メートル、樹高30メートル、樹齢はなんと3000年から4000年と言われる日本誕生以前から生ている日本最古の木です。

その圧倒的な存在感からはとてつもない生命力が溢れ出ており、まさに「神が宿る御神木」と言えるでしょう。その幹には人の顔が浮かび上がっているように見えると言われています。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Yakushima film(@yakushimafilm)がシェアした投稿

 

<沖縄県 国頭村>御願ガジュマル

沖縄県国頭村にある国定公園の「大石林山」は奇岩群に覆われたとても綺麗な山で観光客や、トレッキング客が多く訪れます。この散策コースにあるのが「御願(うがん)ガジュマル」です。

ガジュマルは幹や枝の途中から多くの気根を伸ばす木で、気根は地面につくと太くなり、木を支えます。その姿は鍾乳洞のようにも見えます。

ガジュマルの木は「キジムナー」という木の精霊が宿ると言われ、木の前で瞑想を行うと、精霊のパワーを得られると言われれいます。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

みゆき(@aangel.cosmos)がシェアした投稿

 

 

元巫女による創作舞はこちら

【まとめ】神社の御神木について

御神木とは

  • 神道は自然界の全てのものに神が宿るとする自然信仰である。
  • 御神木は神社の境内やその周りを囲む鎮守の森にある御神体とされる木を表す。
  • 例外的に神社に関係のある人物が寄贈した記念樹や、神社を造営に使われた材木を神木扱いする場合もある。

御神木に近づく前に知っておきたいこと

  • 御神木に近づく前に足元を確認。ここに根があるなら踏んではいけない。踏まなければ近づけないのであれば触れることは諦める。
  • 御神木に近づく前に心と体の穢れは清めておく。参道を歩く、手水舎でのお清めなど。神様に近づく前に心を穏やかに保ち、安らかな状態で神様と対話できるようにする。
  • 御神木の幹に触れる場合は「軽く手をあてる」か、「撫でる」。
  • 皮をむしったり、枝を折ったりしてはいけない。根や樹皮が傷つくとそこから細菌が入り、腐食がすすんでしまうため。
  • 御神木は神社の所有財産でもあるので、法律でも「器物損壊罪」で罰せられる。

御神木との接し方

  • 御神木の前に立ったらその気を感じてみる。心を落ち着けて、深呼吸し、自然のエネルギーを意識する。
  • 木を見上げてみる。エネルギーが天から降り注いでいることを感じる。
  • 根まで視線を下げてみる。根は生命の源であり、命を一番感じることができる場所。ここから御神木の意思を感じ取れる。
  • 触れることができる場合は、「触らせて下さい」と神様にお願いをしてから触れるようにする。触れることができない場合は手をかざすだけ。神様との対話を意識する。
  • 最後にはしっかり感謝の気持ちを伝える。感謝の気持ちは神様の力を大きくすることができる。相互の関係ができていることが大事。

神社では、その建造物に目がいきがちですが、神社自体が神の世界と俗界を結ぶ場所であり、人間と神の交わる場所でもあります。自然のエネルギーを感じることのできる御神木や森林の木々たちに目を向けてみてはいかがでしょうか。