2020/07/31

タンキー(童乩)とは?その成り立ちや儀礼、役割について

タンキー 童乩

タンキー(童乩)という言葉を知っていますか?聞きなれない言葉ですが、中国や台湾のシャーマンなんです。

今回は、このタンキー(童乩)の成り立ちや儀礼について詳しく見ていこうと思います。

この記事を読み終わった時には、タンキー(童乩)がどういったものであるか、理解できるようになると思います。

タンキー(童乩)について

分かりやすく説明するために、

  • タンキー(童乩)とは?
  • タンキー(童乩)の意味
  • タンキー(童乩)の成り立ち
  • タンキー(童乩)の儀式
  • タンキー(童乩)の役割
  • 華人社会のタンキー(童乩)

と順を追って説明していきたいと思います。

タンキー(童乩)とは?

タンキー(童乩)は、福建、潮州、台湾のシャーマン、霊媒師です。憑依体質の者で、神の意志を人間に伝える役割を果たすとされています。

ただし、タンキーは民間信仰に非常に近い存在であるため、日本の神仏習合と同様に仏教の諸仏、儒教の諸聖を道教の神仙と同等に扱い、その身に下ろすことが多いようです。

特徴は、その過激さにあります。

トランス状態に入ったタンキー(童乩)は、神刀で自らの舌を傷つけ、血を流します。その血で神語を記して作られた神符には、護符や、灰にして飲む薬として絶大な威力があるとされているのです。

狂乱するように流血の自傷祭祀を行うシャーマン的聖職者、それがタンキー(童乩)です。生き神として扱われることもあります。

男性の場合をタンキー(童乩)、女性の場合は紅姨(アンイイ)と呼ばれています。

タンキー(童乩)の意味

 タンキー(童乩)の名前の意味は「占いをする若者」です。自傷行為により儀式をおこなう、血気盛んなシャーマンですから、このような名前が付いたのかもしれませんね。

タンキー(童乩)の成り立ち 

では、タンキー(童乩)になるには、どのような方法があるのか、みていきます。

タンキー(童乩)になるには

  • 巫病(ふびょう)と言われる突然のトランス状態になる

などの症状に見舞われることがまず必要です。この状態になることで

  • 神の宿り場に選ばえらた

と考えられるためです。

 

もし、選ばれたのにタンキー(童乩)にならなかったら?どうなるかというと、

心身の異常が激しくなり、最終的には命を失うと考えられています。神様からのご指名は拒めないのですね。少し怖いですね。

 

一方で、タンキー(童乩)になりたがる若者もいます。彼らは自らの顔に串を刺したり、刀で体の表面を切り裂いたり、自らを傷付ける自傷行為をして流血し、勇気と霊感を示します。

実際の映像をご紹介します。見ているだけで、痛々しいです。

 

次は、タンキー(童乩)が行う儀礼についてみていきます。

タンキー(童乩)の儀礼

タンキー(童乩)が行う法事に「打城(だじょう)法事」があります。

 

簡単に言いますと

  • 亡き魂を地獄から救出する

という物語性をもつ法事です。

ストーリーの流れはこのような感じです。

  1. 道士がタンキー(童乩)とともに「落地府(らくちふ)=冥界に落ちること」の法術を用いて冥界に赴く
  2. 地獄の「枉死城(おうしじょう)」に閉じ込められている亡魂(=凶死した冤魂で遺族の不幸の原因とされるもの)を五営兵馬を招請して、城中から救い出す
  3. 東嶽大帝(とうがくたいてい=道教の神)の赦しを得て、西天極楽世界(または仙界)へ超生(転生)させる

というものです。

「打城」とは文字通り「枉死城の城門を打ち開く」ことを意味しています。儀式の中では、実際に紙などで作ったお城の模型を剣で切り裂いたりします。

なんだか、困った人を救う勇者のような筋書きですね。

タンキー(童乩)の役割

タンキー(童乩)が自傷行為を行うのは、「ほら、こんなことしても大丈夫なのは、神様が降りてきているからだよ」と、神様が自らに降臨しているのを知らしめすためです。彼らの役割は、神を降臨させ、人々にその言葉を伝えることにあります。

では、中国・台湾だけでなく、違う国にいる華人の社会において、タンキー(童乩)がどう受容されいるかみていきます。

華人社会のタンキー(童乩)

東南アジアの華僑・華人社会の中でもタンキー(童乩)は大きな宗教的役割をはたしています。これらの地でも神仏習合的な傾向が強く

  • シンガポールのタンキー廟
    → ガネーシャなどのヒンドゥー教の神々やアッラーが祀られる
  • フィリピンのタンキー廟
    → イエス・キリストや聖母マリア、聖人たちが神仙や菩薩如来と共に祀られる

など、様々な宗教が同時に混じった形で人々に受け入れられているようです。

シンガポールの上流階級の人々は、タンキー(童乩)信仰を捨て、プロテスタントやカトリックに改宗する傾向にあります。ただ、そういった場合でも牧師がシャーマンの役割を果たしており、信者たちと集団でトランス状態に陥るそうです。

形を変えても残る宗教観があるのが、面白いですね。

それでは、これまでの内容について振り返っていきます。

【まとめ】タンキー(童乩)について

  • タンキー(童乩)とは、自らの刃物で傷付けるなど自傷行為を行い、降神を証明する、福建、潮州、台湾の過激なシャーマン、霊媒師。
  • タンキー(童乩)の意味は「占いをする若者」
  • タンキー(童乩)の成り立ちは、神に選ばれ、巫病(ふびょう)という突然のトランス状態になり、タンキー(童乩)となる。ならないと死に至ることもある。
  • タンキー(童乩)の儀式:亡き魂を地獄から救出する、「打城法事」という儀式をおこなう。
  • タンキー(童乩)の役割は、神を自らに降ろし、人々にその言葉を伝えること。
  • 華人社会のタンキー(童乩)は、神仏習合的な要素があり、タンキー(童乩)だけでなく、キリスト教やヒンドゥー教なども合わさった形で信仰されている。

 

タンキー(童乩)について理解が深まったでしょうか?世界には、様々な種類のシャーマンがいますね。他にもいろいろ知ってみたくなります。